スポーツクラブ閉鎖の罪深さ・・運動は施設が無ければできない

コロナ騒動に乗じて東京都ではスポーツクラブの休業・閉鎖がおこなわれているそうです。

 

日本人の多くは、健康志向です。他のどこの国の人よりも健康を願います。そして、実際に健康であるために、いろいろな努力をします。その努力のうちで、最も願いをかなえてくれるのが運動です。運動以外では、睡眠や食事、リラックスした環境などがありますが、運動はよい睡眠を招き、食事を美味しくし、ストレスを解消します。

 

健康日本21
健康日本21

健康日本21とは、「少子・高齢社会を健康で活力あるものにするため、生活習慣病などを予防し、壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸等を目標とする21世紀における国民健康づくり運動」です。

 

この運動が大きな成果を上げたことは、新型コロナウイルスに感染したとしても、日本人に健康被害がほとんどなかったことで証明されています。

日本は、世界で最も長寿の国であり、且つ世界で最も健康寿命の長い国です。

凄いですよね。誇っていいと思います。

 

長寿国日本は、世界で最も高齢化率(65歳人口の比率)が高い国でもあります。国民の平均年齢も世界一(特殊事情のあるモナコ公国を除く)です。

平均年齢が高い日本は粗死亡率(人口当たりの1年間の死亡者数)も高くなり、全体の1/4くらいです。但し、年齢調整死亡率は統計がある国では最も低いです。

 

健康日本が達成できたのは、日本人の生活習慣が年々改善され続けたことが原因です。とりわけ、運動習慣の定着が果たした役割は大きなものがあります。特に高齢者の運動習慣の向上は目覚ましく、国民栄養調査によると、男性では70歳以上で42.7%、60歳代で35.5%、女性は70歳以上で35.9%、60歳代で25.3%が運動習慣があるとされています。

 

健康日本をつくった運動習慣ですが、運動するには施設が必要です。そうした施設を休業させることに、意味を見出すことはできず、正義に反します。

特に中高年にとって運動は、単に健康をもたらすだけでなく、もっと切実なものです。魚が泳いでなければ死んでしまうのと同じで、中高年は身体を動かす機会を奪うと一気に衰えます。

 

ウォーキングやジョギングだったら施設もいらないし、感染リスクが少ないという人もあるかもしれません。しかしウォーキングやジョギングをするにも道路という施設が要ります。

都会で自動車が走り回るような道路は、エコカーが増えたとはいえ排気ガスから逃れられず、たくさんの呼吸をする運動には向きません。また、危険でもあります。

 

国や自治体の本来の役割は、国民や住民の健康と福祉の増加であるはずです。つまりは、運動する施設の提供が重要な使命です。早く目を覚ましてもらえればと思います。

そろそろ、取り返しのつかない事態になるのではと不安です。