青は藍より出でて藍より青し:渋沢栄一ほか

今日は偶然ですが、「藍」をよく見る一日でした。男子バレー日本代表が中国代表に連勝しましたが、19歳の髙橋藍(らん)選手が大活躍でした。

 

大河ドラマの主人公、渋沢栄一は現在の埼玉県深谷市の豪農の家に生まれています。栄一の父親は、染料のもととなる藍玉の製造・販売を手掛けて財を成したということです。藍玉というのは、農家から買い集めた藍(植物)を、室で発酵させて搗き固めたものです。藍染の原料となります。

 

酒井藍(あい)吉本新喜劇
酒井藍(あい)吉本新喜劇

藍草にはインジカンという有機化合物を含みます。インジカンを酵素の働きで加水分解するとインドキシルになり、インドキシルのニ量体がインディゴです。これが藍玉です。

 

渋沢栄一の生まれた北埼玉は、利根川の扇状地で砂分の多い土地で稲作に向かなかったことから、藍の生産が盛んになったそうです。他にはネギ(深谷葱)ですね。

~先日のブラタモリでやってました~

武州藍染めは、江戸の終わりから明治の時代にかけて発展して、現在につながっているそうです。

 

「青は藍より出でて藍より青し」は荀子の言葉です。

原文は「君子曰、学不可以已。青取之於藍、而青於藍。冰水為之、而寒於水。」です。

”学ぶことはやめてはいけない。青は藍草から取るが、藍より青い。氷は水からできるが、水より寒い。”と言っています。

 

荀子が言いたかったのは、学不可以已(学を以って已むべからず)です。已(や)むは、止むが”途中でやめる(中断する)”に対して、”すっかりやめてしまう”ことです。

学ぶことは、すっかりやめてはいけない。苦しくても続けていれば、師匠を超えていくことができるというわけです。「出藍の誉れ」です。