アメリカ・カリフォルニア州での大規模調査の結果です。新型コロナ感染症が重症化する要因では、糖尿病や高血圧より運動不足のほうが重大という報告です。
BJSM(British Journal of Sports Medicine)は、スポーツ医学の分野で国際的に権威があるそうです。英国医師会が100%所有する会社が編集し発行しています。アメリカ・カリフォルニア州で48,440人の新型コロナ患者を対象にした調査の報告です。
https://bjsm.bmj.com/content/early/2021/04/07/bjsports-2021-104080
日本では、新型コロナの患者がとても少ないので、5万人もの患者の調査はできません。恐らく、将来に渡ってずっと。仕方がないので、海外の報告を参考にします。
要約すると、糖尿病や高血圧、さらには肺疾患よりも重症化リスクが高いのは「運動不足」である。運動不足の人の重症化リスクは2.26倍で、死亡するリスクは2.49倍である。
ステイホームでテレビやゲームばかりしているのはとても危険です。とにかく、身体を動かしましょう。家でじっとしては、いけません。
カリフォルニア州で、昨年10月末までに新型コロナ感染症と診断された患者が、死亡に至った危険因子の分析結果です。
➀ 60歳以下を基準にして、高齢になるほどリスクは高くなり、80歳以上では27.31倍です。当然ながら納得できます。
② 男性のリスクは女性の1.72倍です。ちょっと残念です。
③ 白人に対してアジア人は1.30倍のリスクです。人種の要因なのか、社会経済的な要因なのかは不詳です。
④ BMI(肥満度)が25未満(標準以下)の人を基準にして、BMIが25~40と肥満の人のほうが死亡リスクが低くなっています。これは少し意外です。BMI25未満の人には、何かの要因でやせ過ぎの人が含まれているのかも知れません。
但し、BMI40以上の超肥満の人はリスクが1.9倍です。もっとも、BMI40超なんて人は、力士以外で見ることはないです(日本では)が・・。
⑤ 喫煙者は1.24倍危険です。
⑥ 以下、他の疾患との関係です。
臓器移植を受けたことのある人のリスクは4.25倍です。これは、ちょっと特別です。
循環器の疾患は1.57倍、肺の疾患は1.28倍、腎臓の疾患は1.50倍、癌は1.04倍、転移性の癌は1.46倍、高血圧は1.30倍、などとなりました。
最後に、軽い運動をしている人(散歩など軽い運動を1週間に2時間半以上する)を基準にして、運動不足の人(軽い運動を1週間に10分以上)ではリスクは1.88倍、運動しない人(1週間に10分未満)では2.49倍となっています。
臓器移植を除けば、運動不足が最も大きなリスクです。
と、ここまで書いて、生データをよく見れば、日本人でここまで運動不足の人はそんなにいない(活動的な人がもっと多い)ような気がします。
まぁ、変に恐れずに、日本人として普通の生活をすれば、新型コロナは弱い敵ということです。
いつもより、少し大股で歩く。少し速足で歩く。くらいで十分な気がします。
連休中、お天気がよければ、自粛警察を避けて屋外で活動しましょう。