言葉の壁が優勝を導いた~松山英樹マスターズ制覇

2021年のマスターズに松山英樹が勝利しました。アジア国籍の人として初めてです。

 

日本でもゴルフは人気の競技ではありますが、プロスポーツとしてのゴルフで世界のトップに入る選手は多くありません。唯一、その位置にいるのが松山選手で2017年には世界ランク2位(年度末で5位)まで上がりました。この年の全米オープンでは、最終3ホールで逆転されて惜しくも2位になりました。

 

マスターズチャンピオン 松山英樹
マスターズチャンピオン 松山英樹

松山選手は、この2017年以降のツアーでの勝利がありませんでした。もちろん、ずっとトップレベルの成績を続けていたのですが、マスターズ前の世界ランキングは25位(優勝で14位に上がった)でした。

 

2017年11月にトランプ大統領と安倍首相のゴルフに同伴したのが、調子を崩した原因なのかも知れないです。(安倍首相もホッとしているかな?)・・冗談です。

 

松山選手のインタビューで象徴的なものが二つありました。

ひとつは、―いつも多くのメディアに囲まれるが?「自分は大勢に囲まれるのが苦手。でも、去年コロナで(報道の)人数が少し減ったのはラクにはなっています(笑)。」

誰しも、日本メディアの取材がスポーツ選手にとって、マイナスが大きいことは、何となく感じています。

 

もうひとつは、―中断中、電話で誰かとメールをしていた?「まあ、くだらないゲームとかをしたり(笑)。なにも特別なことはしていないです。ただ携帯を見ていただけです。」

3日目の中断後の猛チャージが、マスターズ優勝の大きな要因になりました。他の選手たちは、中断中はクラブハウスでお喋りしながら待っていたようです。そのなかで、松山選手は一人でクルマのなかでスマホでゲームしていたということ。

 

今回のマスターズは、コロナ禍のために他の日本選手が招待されておらず、日本人は松山選手一人でした。もし、日本人選手が何人かいたら、クラブハウスで話もしていたかも知れません。

松山選手はアメリカに10年以上滞在して、英語も理解できるようですが、インタビューでは通訳を介して日本語で対応しています。中断中のクルマでの時間潰しが、その後のプレーに好い影響を与えたことは間違いなさそうです。松山選手は、外国での言葉の壁をうまく使ったと言えるかも知れません。