スエズ運河で座礁していたコンテナ運搬船M.V. EVER GIVENが6日ぶりに離礁しました。
スエズ運河は、世界の海上輸送の12%を占めるそうです。座礁したM.V. EVER GIVENは、今治市の正栄汽船が所有して、台湾の長栄海運が運行する世界最大級のコンテナ船です。全長400m、幅59m、総トン数約22万4千トンという大きさですから、スエズ運河を完全に塞いでしまって大きな影響を与えました。
スエズ運河の通行料はとても高額です。スエズ運河庁のwebサイトの料金表が掲載されています。貼り付けたのは、コンテナ船の場合です。最も高い単価は7.88SDR/SCNTです。最も安いのは1.74SDR/SCNTです。
料金の単位がSDR/SCNTとなっています。
SDRは、Special Drawing Rights(特別引出権)の略です。特別引出権とは、全世界共通の通貨単位を表しています。1SDRは2021年1月時点で148.8円で、毎年変動します。
SCNTは、Suez Canal Net Tonnage(スエズ運河トン)の略です。1973年の万国トン数会議で定められた純トン数規則をもとに、スエズ運河当局独自の控除基準を加えて算出したものです。二重底船の船底にバンカー油を積載した場合、その部分の控除を認めない等、パナマ運河や各国の規則とも異なる独自のものだそうです。
素人にはよくわからないのですが、仮に(7.88×148.8)/1000㎏なら、貨物1㎏あたりでは1円ちょっとです。(1.74×148.8)/1000㎏なら、0.25円です。
何だか、たいした金額ではないようですが、20万トンの積荷というのは2億㎏ということですから、1回の通行料が数千万円になるわけですね。ちょっと、クラクラします。
スエズ運河庁のwebサイトにはスエズ運河の歴史が書いてあります。
これによると、最初の運河はエジプト第12王朝が最盛期を迎えていたセンウセレト三世(紀元前1887〜 1849年)の治世下に、ナイル川とその支流を経由して、北の地中海と南の紅海を結ぶために掘られたそうです。
もちろん、規模は現在のスエズ運河と比べ物にはなりませんが、4000年近くも前のことですから、たいしたものです。