天候不順や中国の需要増によって、世界的に穀物や砂糖の価格が大きく値上がりしています。
FAO(国連食糧農業機関)が発表している”FAO食品物価指数(FFPI)”は、2021年2月の平均で116.0ポイントとなりました。これは1月より2.8ポイント(2.4%)高く、9か月連続の上昇を記録し、2014年7月以来の最高レベルです。例えば、大豆は今週には、1ブッシェル当たり14ドル25セントとなり、1年前と比べておよそ70%上昇しています。
ところで、「ブッシェル」って何?
食品物価が高騰するのは、慢性的な食糧不足の問題を抱える途上国にとっては大きな問題です。
FFPIは、穀類・植物油・乳製品・食肉・砂糖の5つの指標からなっています。グラフに直近3年間の推移を示します。
5つの指標のうち、食肉が比較的安定しています(それでも足下は上昇傾向)が、他の4指標は高騰といってもよいレベルです。
南アジア・オセアニア地域の異常な乾燥による生産量減少と、中国の需要増が基本にあります。これに、原油価格が高騰したことで代替燃料としてサトウキビ由来のエタノールの需要増があって、植物油の価格が高騰しています。
さて、「ブッシェル」です。
ブッシェルは、ヤード・ポンド法に基づく体積の単位です。記号は「bu」。
米国では1ブッシェルは約35リットル、英国では約36リットルに相当します。(国や地域によって、異なるのでややこしいです。)
主に穀物の取引に使われるのですが、穀物によって1ブッシェル当たりの重さは異なります。米国の場合では、小麦や大豆は約27.2キログラム、トウモロコシは約25.4キログラムになります。既に面倒ですよね。
日本でも米の生産や取引には、一俵とか一石という単位を使います。一俵は一斗の4倍です。一斗は一斗缶というように約18リットルです。つまり、1ブッシェルは約2斗となります。
1俵は約72リットルです。但し、お米は小麦や大豆より単位体積当たりの重さが重いので、1俵は約60キログラムになります。
ちなみに、1石は10斗なので、180リットルで約150キログラムです。1石は成人1人が1年間に消費する食料とほぼ同じとされて、江戸時代の経済指標になっていました。
米国では1ブッシェルは8ガロンで、42ガロンが1バレルです。ややこしいのですが、およそでいうと、1ブッシェル≒35リットル、1ガロン≒4リットル、1バレル≒160リットルということです。というわけ、1バレルはおよそ1石となります。
10進法でもないので、とても理解できないですよね。
メートル条約で、世界の計量単位を統一しなければならないわけです。