山口市に鋳銭司(今は”すぜんじ”と読みます。昔は”じゅせんし””ちゅうせんし”と読んでいた。)というところがあります。古代から中世に、おかねを鋳造していたところです。
日本でつくられた最初のおかねは、飛鳥時代の”和同開珎”です。西暦708年と言われています。この当時の山口県では、長登銅山・蔵目喜銅山・於福銅山などが開発されており、銅の産地でした。このため、730年頃に今の下関市長府に長門鋳銭司が開設され、825年頃に山口市に周防鋳銭司ができました。その後の約130年は、周防鋳銭司が国内唯一の鋳銭司だったそうです。おかねのふるさと、山口へ、おいでませ!
鋳銭司にある「鋳銭司郷土館」で、厄病除けの呪文を刻んだ地蔵尊のお守り札を配っているそうです。
そのおまじないの呪文が「きしおつ」といいます。漢字で書くと下のようになるのですが、大漢和辞典でも載っていません。したがって、意味は全く分かりません。どうやら、疫病が川を越えないといった効果があるそうです。
この「きしおつ」という呪文は、山口市仁保の地蔵尊に刻まれています。この地蔵尊には安政2年と書かれているので、江戸時代後半に繰り返し流行したコレラ除けのおまじないと想像されています。
ブラブラ散歩にもよい季節になりましたから、謎のおまじないを見に行きましょうかね。