BCP:日本で働く外国人の安全を守る

BCP(事業継続計画)を検討する際に、絶対に守るべきものは「生命」と「信用」です。

 

「生命」と「信用」というものは、一度損なうと、二度と取り戻せないものです。どんなにお金を掛けても取り戻せないので、しっかり守らなければなりません。リスクの対象が自然災害やその他の物理的な災害(火事や爆発など)から「生命」を守るために重要なのは「避難」と「安否確認」です。

 

山口県で働く外国人は年々増えていて、昨年10月末時点で9,072人となっています。

山口労働局が発表した資料から、グラフを転載させてもらいます。

 

「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年10月末現在)について(令和3年1月29日)

外国人労働者の半数近くが技能実習生ですし、資格外活動とは主に留学生ですから、全体の6割以上の外国人労働者は日本に来て5年未満と想定されます。

山口県は、日本のなかでは最も自然災害の脅威が小さい場所と評価されます。それでも、母国と比較すれば、災害大国日本の一部であり、リスクは大きいわけです。

 

働く外国人に、安全に避難してもらい、適切に安否確認をし続けることは、結構難しい課題です。言葉や文字の理解という問題が最初にありますし、必ずしもスマホなどの携帯通信機器を自由に使えるわけでもありません。避難した際でも、文化の違いや宗教上の制約などがあるかも知れません。この面では、国や自治体の支援体制も、十分とは言えません。

 

事業者の責任で、外国人労働者の安全を守るための事前の計画を十分に練っておくことは重要です。少なくとも、避難場所までの道を、たとえ一人になっても行けることは確認しておきたいものです。