家計調査の結果で、コロナ騒動で生活様式がどう変わったかを見てみましょう。
コロナ騒動の影響がはっきりしている2020年3月~12月の家計支出を、前年の2019年3月~12月と比較してみました。統計結果は、Excelデータで提供されているので、簡単に比較できます。
巣ごもりするので、穀類の消費金額は全体では4.9%増えています。
特に、麺類は+14.4%と大幅な伸びです。米も+3.4%増えていますが、パン類は-2.8%と減っています。
ただし、パン類は食パンとその他のパンに分けられるのですが、食パンは+4.0%です。菓子パンなど、家以外で食べるために購入するパンが減っているということのようです。
飲料の統計もコロナの影響が顕著です。
コロナ騒動で最も消費金額が減ったのはスポーツドリンクで-6.9%です。ついで、コーヒー飲料-5.4%、茶飲料-4.9%です。○○飲料と言うのは、ペットボトルや缶などの容器で液体で提供される商品のことです。
一方で、増えたのが炭酸飲料の+16.2%、コーヒー+11.4%、他の茶葉+8.6%などです。
炭酸飲料は、学生や児童生徒が家に閉じこもった影響なんでしょうか? このコーヒーはコーヒー豆やインスタントコーヒーなど液体以外の商品です。他の茶葉は、緑茶と紅茶以外の茶葉のことで、麦茶や豆茶です。
身体のことを考えると、炭酸飲料より麦茶を選択するほうがいいですね。
アルコール飲料の消費は+14.4%増えています。金額では、月当り507円です。
これは、外食での飲酒代が-65.2%と大幅に減っているから、代わりに家飲みになったということです。金額では、月当り1,094円になります。
家飲みのアルコール飲料では、最も伸びたのがウイスキーの+42.7%、チューハイ類の+33.8%です。清酒は+5.4%、ビールも+5.6%と伸びが小さいのは、これらは元々が家飲みだったのでしょう。
この他、主な変化を書いておきます。
家事用耐久財の炊事用電気器具が+20.5%、電気掃除機+11.5%、電気洗濯機+10.4%。エアコン+7.1%、ストーブ+19.7%なども巣ごもり需要かも知れません。
中分類では、一般家具+20.2%、寝具+12.4%、家事雑貨(茶碗や鍋・やかん、台所用品など)+5.3%、家事用消耗品(洗剤やトイレットペーパーなど)+14.3%、その他の家事用消耗品(ポリ袋、殺虫剤、芳香剤など)+20.3%なども家にいる機会が増えたことが影響しています。
一方で、被服及び履物は-21.5%です。特に、男性用の背広は-42.6%、婦人服は-36.8%と大きく減りました。子供用が-11.7%と減少幅が小さいので、少し緩和されています。
帽子は-28.0%、ネクタイは-46.8%です。履物は全体で-23.6%ですが、最も減少幅が大きいのが運動靴-46.1%です。運動しないと、免疫力が損なわれて健康被害が懸念されます。
医薬関係では、感冒薬が-20.9%と大きく減りました。風邪なんかひいていると、変な目で見られるかもしれないですね。まぁ、マスクは風邪の予防には20%分の効果があるということです。ただ、医薬品全体では+1.5%と増えていて、外傷・皮膚病薬+18.5%、その他の外用薬+6.1%は気になります。閉じこもっている高齢者に皮膚疾患が増えているという話も聞きますから、心配です。
その他で、消費が増えているもの・・
保健用消耗品(マスクや除菌剤など)+94.3%、ゲーム機+57.3%、ゲームソフト+54.2%。ペット・ペット用品+24.4%、園芸用品+12.6%。書籍+8.4%。などです。
一方で、消費が減っている主なもの・・
眼鏡-10.7%、コンタクトレンズ-16.4%、マッサージ料金-17.3%、人間ドック受診料-21.8%。鉄道運賃-68.8%、バス代-57.6%、タクシー代-44.1%、航空運賃-86.5%、レンタカー料金-27.0%。宿泊料-59.0%、国内パック旅行-71.4%、外国パック旅行-98.7%。
まだあります。月謝類-25.6%(特に、語学月謝-36.8%、スポーツ月謝-34.3%など)、入場・観覧料-46.7%(遊園地-73.3%、スポーツ-73.1%、映画演劇-71.8%、文化施設-61.4%など)。理美容サービス-11.7%、特徴的なのは口紅-44.6%、ファンデーション-27.6%。かばん類-19.0%、特に旅行用カバン-74.2%。
最後に、世帯主のこづかい-17.0%。