在米日系企業にアンケートした結果「過半企業が何らかのプラスの影響を期待」とのこと。
プラスの影響というのは、トランプ政権終盤の混乱と、選挙戦のゴタゴタが解消されたという安堵感があるようです。しかし、実際はバイデン政権の政策に対する懸念も大きいように思います。日本企業にとっては、厳しいことも多そうです。
アンケートの結果「過半企業が何らかのプラスの影響を期待」と書くのか、「プラスの影響を期待する企業が1/4に満たない」、「およそ半数の企業がマイナスの影響を懸念」と表現するのかは、それぞれです。
新型コロナ騒動で、アメリカに目が向かない状況ですが、米国の政権交代は日本の社会や経済に大きな影響を与えます。無視するわけにはいきません。
バイデン政権の掲げる政策で最も懸念があるのは、労働権法(RTW法)の廃止です。
RTW法は、労働組合と使用者の間で、組合員たることを雇用条件とする協定(ユニオン・ショップ協定)を締結すること禁止する州法のことです。労働者には「労働組合に支配されないで働く権利」があるという意味です。
バイデン政権は、RTW法を廃止してユニオン・ショップ協定を結ぶことを禁止させないようにしようとしています。つまり労働組合の力を強化することになります。それでなくても、米国の労働組合は日本とは比較できないほど強いのですから、この政策の影響は注視されます。
労働組合は必要ですが、あまり強すぎると労働者にとって利益になりません。また、労働組合が強すぎると、経営そのものが悪化することもあります。会社が傾くと、結局のところ労働者は困ります。ほどほどの強さがよいので、あまり極端なことにならなければと思います。
加えて、連邦最低賃金を現行の時給7.25ドルから15ドルに倍増するという政策もあります。また、高範囲で税制改正が予定されています。法人所得税の21%から28%への引き上げをはじめとして、かなり大幅な所得増税になります。
バイデン政権下で、アメリカでの日系企業の業績がどうなるかは注目です。