民主党に任せきるのは嫌だ!アメリカの話

トランプ前大統領のかなり滅茶苦茶なイチャモンで、グダグダだったアメリカの新大統領選びですが、先週ようやくバイデン政権が成立して、動き始めました。非常識なトランプ前大統領が悪政を働いていたのを、良識のあるバイデン新大統領が正すようイメージ報道もありますが、実態はそうでもなさそうです。

 

バイデン新大統領
バイデン新大統領

大統領制の国では、大統領が代わるとその国がとる政策も、完全に変わってしまうという印象があります。前の政権が、国を代表して取り交わした約束も、簡単に無かったことにするようなことです。

 

アメリカの場合は、必ずしもそうはならないようです。大統領と議会という二つの権力でうまくバランスをとります。

アメリカ国民の総意は、トランプ氏が大統領を続けることは好ましくないが、民主党に任せるのも嫌だ!ということのようです。

 

アメリカ連邦議会の下院では、民主党が過半数(定員435で欠員3なので過半数は216議席)を上まわっていますが、僅か5議席の221議席です。民主党のなかにも、バイデン新大統領に批判的な勢力がありますから、ギリギリの状況です。

 

上院のほうは、ニュースで盛んに報道されましたが、結果的に50対50の同数になりました。賛否が同数の場合は、ハリス副大統領が最後の1票を投じる権利があるので、一応は民主党が支配することにはなりますが、こちらもギリギリです。

バイデン新大統領の政策は、かなり制約を受けて、無理なことはできそうにありません、

 

国会議事堂が暴徒に襲撃され一時占拠されるという、未曾有の事態もあり、アメリカの民主主義に不信も募りました。そんななかでも、アメリカ国民は意外に冷静に、政府をコントロールできているのかも知れません。

 

日本にとっては、もちろん他の国々にとっても、アメリカの政策がコロコロ変わるのは困ります。バイデン新政権は、大統領が高齢(78歳)であることから、1期(4年)だけだろうと考えられています。バイデン新大統領の最大の仕事は、次の安定政権をどう企画して、発足させていけるかということになりそうです。