日本では森林の管理の重要性が高まってきていると思います。
激甚化する気象災害が引き起こす土砂崩れなど災害の予防、その気象災害の原因になっている地球温暖化を遅らせる効果、森林の保水力なくしてはできない水資源の確保、といずれの理由においても、日本では森林の管理が一層重要になっています。
内閣府が、ほぼ5年おきに「森林と生活に関する世論調査」というものをおこなっています。国民の森林への期待を質問した結果がグラフのようになります。
1位「山崩れや洪水などの災害を防止する働き」
2位「ニ酸化炭素を吸収することにより、地球温暖化防止に貢献する働き」
3位「水資源を蓄える働き」
4位「空気をきれいにしたり、騒音をやわらげる働き」
5位「住宅用建材や家具、紙などの原材料となる木材を生産する働き」
6位「心身の癒しや安らぎの場を提供する働き」
7位「貴重な野生動植物の生息・生育の場としての働き」
8位「自然に親しみ、森林と人との関わりを学ぶなど教育の場としての働き」
9位「きのこや山菜などの林産物を生産する働き」
この選択肢に書かれた内容は、いずれも重要で、これ以上つけ加えることがありません。
但し、森林の管理は、なんとなく重要だとは思うものの、具体的な計画や道筋が見えてこないというのが実態です。
世界有数の森林を誇る日本列島です。国が森林管理の制度をきちんとつくって、国民がそれを共有する必要があります。また、その制度を適切に運用していくことが大事です。
そのためには、林業を儲かる産業に育てなければなりません。国民として、林業者に何らかの経済的インセンティブを与えることを考えるべきと思います。
菅首相が、「自助・共助・公助+絆」と言われます。
森林の管理は、「自助(自分で守る)」「共助(周りの人たちと助け合う)」「公助(公的支援)」の先にあります。
長い時間がかけて森林を育むことは、日本列島と言う国土が地球を守るために貢献することに他なりません。カーボンニュートラルという新しい目標も明確になった今、森林へ目を向ける人が増えるとよいと思います。