新型コロナ感染症対策として、室内の乾燥を避けて加湿することが推奨されています。
新型コロナウイルスの特性はよくわかりませんが、インフルエンザウイルスでは湿度が低いと感染性が高くなることが知られています。ここで、注意をしなければならないのは、湿度が高くなるほど感染し難くなるのではなく、相対湿度で40%を超えれば、それ以上は効果がほとんど変わらないということです。
つまり、湿度40%でも50%でも80%でも、感染症対策としては同じことです。
乾燥した状態を避けることが、新型コロナ対策になりますが、大型の加湿器を使って、どんどん加湿することに効果はありません。
逆に、湿度が高くなるほど細菌類は繁殖しやすくなるので、加湿のし過ぎは別の病気(細菌性の風邪を含む)の原因になります。マイルドな加湿が望ましいです。
小さな事務所をイメージしてみます。
約20畳(30㎡)の事務所なら、天井高さ2.5mとして、容積は75㎥です。室温20℃、相対湿度30%とすれば、室内に存在する水分は約390gです。
湿度を40%にするには、130g分だけ水分を足してやらないといけません。1時間に2回の換気をおこなうとすれば、1時間当たり260gの水分補給が必要です。
大判のタオル1枚をそっと絞って濡れたままにしていると、約500gの水分を保有します。このタオルが2時間で乾くようなら、ちょうど所定の水分を補給していることになります。
タオルをエアコンの風が当たるような位置に干せると、具合がよいです。もし、乾くのに時間がかかるようであれば、タオルを2枚干すことで足ります。
極端に加湿力の大きい(1500ml/hなんて加湿器もあります)機種の加湿器を使うときは、室内の湿度を計って、あまり過剰にならないように注意したほうがよいようです。
【ポイント】湿度は40%以上・70%以下