日本最古の「国際規格分銅」が発見された

今朝の読売新聞(西部版)の一面に“国内最古の「分銅」“という記事が載っていました。

 

福岡県春日市の須玖遺跡群で発見された弥生時代中期前半(紀元前2世紀頃)の石製品が、分銅であると確認されたものです。この分銅は特に「権」と呼ばれるものです。中国大陸や朝鮮半島で発見された「権」と重さの規格が同じです。日本で発見された大陸規格の分銅としては、最も古いものになるそうです。

 

須玖遺跡群で見つかった権
須玖遺跡群で見つかった権

今回発見された石製品は4種類あって、大陸や半島の「権」の11gの3倍・6倍・20倍・30倍の重さになっているということです。

3倍と6倍は基準の分銅(1倍)と合計すれば10倍になりますから、10進法を使っていたのだろうと推定されるそうです。

 

出土したところに青銅器の鋳型があったことから、原料の銅・スズの計量に使われたようです。大陸と同じ規格の分銅を使っていることから、配合など青銅器製造のレシピを大陸から輸入したものと思われます。

 

日本独自の分銅は、大阪府の亀井遺跡から弥生前期のものが見つかっています。

2018/11/05 日本最古の分銅は弥生時代前期のもの

 

こちらで発見されている分銅は、1番小さいものが8.7gです。これを基準にして、2倍・4倍・8倍・16倍・32倍の重さの分銅が発見されています。こちらは2進法ですね。

こういった分銅は、大陸や半島では発見されていません。

  

海外から輸入した技術と、国内で独自に発明された技術が、遠く弥生の時代に共存していたというわけです。よくはわかりませんが、分銅を使う計量は、当時の最先端テクノロジーだったのだろうと思います。なかなか興味深いことです。