ポール・ヴァレリーは、フランスの詩人、小説家、評論家。多岐にわたる旺盛な著作活動で知られています。
1871年に生まれ、1945年に亡くなったヴァレリーは数々の警句を残したことで有名です。冒頭の言葉は特に知られたものですが、前後をつなげると「湖に浮かべたボートをこぐように
人は後ろ向きに未来へ入っていく、目に映るのは過去の風景ばかり、明日の景色は誰も知らない」となります。まぁ、確かにその通りかも知れません。
ヴァレリーはフランスの詩人ですが、ココ・シャネルが愛読していたことも有名です。シャネルが気に入っていた「香水の使い方が下手な女性に未来はない」という言葉は、ヴァレリーの詩からの引用です。
ネット検索すると、ヴァレリーの名言・迷言はたくさん出てきます。
「最も偉大なる人とは、彼自身の判断に信頼することをあえて行う人間である。もっとも、愚かな人もまた、それと同様だが・・・」
頑なさを捨てて、微調整できるか否かが最も偉大な人と最も愚かな人との違いのような気がします。
「個人の価値はその人の手本の価値に比例する」
若い人は、特に心がけなければいけないかも知れません。手本となる人に巡り合えるといいですね。
「最も深いもの、それは皮膚である」
この頃、強く思います。皮膚は身体の表面を覆う器官ですが、最も深い機能を持つ器官かも知れません。親子でも、友人・恋人同士でも、スキンシップによる温かみが必要です。ディスタンスばかりでは、いけないように思います。
さて、冒頭の「人は後ろ向きに未来に入っていく」です。
人は後ろ向きに前進して、前向きに後退するということです。つまり、後退(退却)は、既に一度見た、通った土地を前向きに進みことができます。後退は、決して危険な未知の冒険ではないということは、知っておくとよいように思います。