CCUS(建キャリ)は浸透するか?

赤羽国交大臣が、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用促進に向けて、とても積極的な姿勢を示したということです。行政のデジタル化推進の一つです。

 

「建設キャリアアップシステムは、技能者ひとり一人の就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化などにつなげるシステムです。」と説明されています。昨年の4月にスタートしたシステムですが、建設業に従事する人の保有資格や能力、就業実績を1枚のカードに蓄積するという仕組みです。仮に、会社を移籍しても、情報は個人に帰属するので継続して蓄積されていきます。

 

建設キャリアアップシステム(CCUS)
建設キャリアアップシステム(CCUS)

政府は、5年後には建設業に従事する全ての技能労働者(約320万人)が、このシステムに登録することを目標にしています。その1ステップとして、1年後(昨年度末)時点で登録者100万人を目指していました。

しかし、その時点から8か月を過ぎた今年の11月末時点で、登録者数は42万人余りにとどまっていることから、赤羽大臣が自ら乗り出したということです。

 

このシステムでは、技能者は、本人情報(住所、氏名等)、社会保険加入状況、保有資格などの個人情報を登録し、ICカード(キャリアアップカード)を受け取ります。

事業者は、商号、所在地、建設業許可情報を登録し、現場開設時には、現場情報(現場名、工事内容等)をシステム登録します。

 

技能者は現場入場の際、現場に設置されたカードリーダーにカードを読み取らせて、就業履歴をシステムに蓄積されます。

この蓄積されたデータを基に、技能者の能力評価がおこなわれます。レベルに応じて4種類のカードが発行されます。

 

カードに保有資格や就業履歴をデータとして蓄積することで、技能者の経験やスキルが客観的にわかり、適正な賃金や処遇を受けられる機会が広がるとされています。

 

わかりやすいメリットとしては、就業実績が明確に管理されるため、建退協の退職金に関わる事務手続きがスムーズになって、適切な退職金が受け取りやすくなります。また、事業者や現場監督にとっても、出面管理が確実にできて、業務効率は上がります。

 

国交相が、自治体工事での義務化を発言されたことで、一気に浸透する可能性が出てきました。中小建設業でも、準備をしておいたほうがよさそうです。