牛乳を生産する牛は寒さには強く、夏の厚さには弱いのだそうです。
牛は平均すると1日に約20~30ℓの生乳を出しますが、季節によって変化します。牛は寒さには強く、寒い日ほど余計に餌を食べて体を温めようとします。このため、冬場の牛乳は濃くなり量も増えます。逆に夏場は暑いため、餌を食べると更に体温が上がるので、牛は少食になって乳量が1割くらい減るということです。
脂肪分で比較すると、冬場は夏場より1割ほど高くなるそうで、牛乳の旬は冬ということになります。
山口県でも牛乳は生産されていますが、年間1万6千トンほどで、多くはありません。
北海道が圧倒的に多くて400万トンほどです。全国の半分以上を生産しています。
一方で、飲料としての牛乳の消費は、山口県(山口市)は比較的多くて、全国ランキングで12位に入ります。
牛乳は、冬場にたくさん生産されて、しかも品質もよいというわけですが、消費は逆です。夏場のほうがたくさん飲まれて、冬場には1割くらい減ります。つまり、夏の消費に合せて牛を飼っていると、冬に牛乳が余るということになります。勿体ないです。
そこで、牛乳を使った加工食品(乳製品)、バター・チーズ・クリームなどの生産が大事になります。乳製品は、牛乳の需給調整機能としても重要な商品です。これを年間でトータルすると、概ね、牛乳:乳製品=6:4の比率で消費されます。
今年は、新型コロナ騒動で牛乳業界の需給もかなり影響があったようです。
学校が休校になって給食用牛乳の需要が減ったと思ったら、巣ごもり需要で家庭用牛乳の消費が増えました。免疫力を高めると考えられるヨーグルトの需要も増えました。
一方で、菓子やケーキなどに向けた需要が大きく減ったので、牛乳全体としては、余り気味です。結果としてバターやチーズなど需給調整機能を持つ製品の生産量が増えています。
生き物が相手のビジネスでは、需給を見込んだ生産の最適化はなかなか難しいです。
とりあえずは皆さん、美味しい牛乳や乳製品で免疫力を高めて、コロナ騒動の冬を乗り切りましょう。