山口市徳地で洪水のリスクについての話を聞きました。
徳地は旧佐波郡徳地町です。平成の大合併で山口市と合併しました。昔から、林業と製紙業(徳地和紙)が盛んです。佐波川と島地川の合流点が町の中心地ですが、ここを出雲地区といいます。徳地は古代に出雲からの移民が興したとされ、景行天皇(ヤマトタケルノミコトの父)の九州征伐にも同行したという伝説もあります。
徳地地区のハザードマップを抜粋します。
南北に流れる川が佐波川です。西南側から合流しているのが、最大支流の島地川です。合流しているところが出雲地区とです。市役所の支所や体育館、公民館、小中学校などがあります。
山間部なので、住民は基本的に川沿いに住んでいます。ハザードマップでみると、住宅や公共施設のある範囲は、浸水の危険があります。しかも、かなりの範囲が3~5mの浸水の危険が指摘されています。
同じエリアでの洪水について記した毛利藩の毛利家文庫に「徳地水損図」が残っています。天保年間に作成されたものです。約200年前につくられたハザードマップというわけです。
比較してみてください。いかがですか?
徳地にとって、佐波川は古来より多くの恵みをもたらしていましたが、一方で何度も洪水など水災による被害も与えてきました。
現在は、昭和31年の佐波川ダム、昭和56年の島地川ダムの完成によって、この地域の浸水リスクは大幅に軽減されています。