製造業であれば、100-1=99という式が成り立つ場合があります。
接客業では、多くの場合100-1=0になります。100人の従業員が接客サービスをする場合、そのうちたった1人がお客様に不愉快な思いをさせても、その店の評価はゼロ点になります。100日開店していて、そのうち1日のサービスがダメなら、やはりすべての評価が悪くなります。100回のサービスのなかの、1回でも・・・、みんな同じです。
お客様に、お店にもう一度訪問したいと思ってもらうには、この”-1”を消す必要があります。
結局のところ、経営者や従業員の心が大事であり、お店の財産ということになります。
コロナ騒動のなかで、人の心がすさんでいくのが心配です。
正義感とか公正さとか、生命や人権を守る心、他人や社会を思いやる気持ち、責任感や自立性、共生と寛容などといった、基本的な倫理観や道徳観を啓発し高揚していかなければなりません。
こういったことは、教育や管理だけで、成し遂げられることではありません。コロナ騒動のなかで、多くの接客業のお店が悩んでいるテーマです。
新しい生活様式は、表面的には他人への思いやりのように繕っていますが、どうしても自分さえよければ、という面があります。人との接触を拒み、ふれあいを避けるのは、やはり異常な状況です。
そんななかでは、接客業の側が、お客様も従業員も等しく、積極的に人の心を豊かにする場としてサービスを提供することを考えなければならなくなっています。単なる「お・も・て・な・し」が、サービスではなくなってきています。
この店に行くと、心が豊かになるなぁ、という接客をするには、どんなことが考えられるでしょうか。