昨日のブログの続きです。マネジメントシステムでは「継続的改善」が求められます。
PDCAサイクルを正しく回して、スパイラルアップをしていくことで、あらゆる課題が継続的に改善していくという考え方です。昨日より今日、今日より明日がよくなっていけば、企業は持続的に発展していくことができます。しかし、本当にそんなことができるかと言えば、それはムリですし、ムダです。
ここでいう「課題」とは、企業が発展していくために取り組まなければならない問題のことです。
”問題>課題”です。企業には、内にも外にもたくさんの問題があります。しかし、そもそも全ての問題に対して、何らかの対応をとるわけではありません。企業のレベルでは、対処できないような大きな問題もありますし、逆に取るに足らないような微かな問題もあります。
課題を抽出できたら、改善に取り組むわけです。そのときに、「継続的改善」という呪文が担当者に襲い掛かります。PDCAサイクルのスパイラルアップで、どんどん良くしていかないという無限地獄です。嫌になっちゃいます。
この無限地獄から逃れることです。その方法は2つあります。
1つは、継続的改善でも到達目標をしっかり立てて、そこまで到達したらお祝いをして、その問題を取り組むべき課題から外すのです。卒業です。
もう1つが、継続的改善が困難な課題です。最も多いのは、問題がどんどん酷くなりそうで、放置するわけにはいかないが、改善するにはコストや手間がかかりすぎるといったものです。
その場合は、その課題は監視して、悪化しないように維持するということになります。
放置すると悪化するかもしれない課題を、監視して維持しているなら、継続的な改善が為されていると考えて間違いではありません。
昨日のブログに書いたように、現在の平均的な日本人中高年男性は、4年の期間で評価して、体重・血圧・血糖・脂質のデータが悪化していません。これらの指標は、いずれも放置していると悪化しそうです。これをメタボ健診という監視と、保健指導という活動で維持しています。これも、継続的改善の一つです。
スパイラルアップしていっても、中高年男性みんなが、田原俊彦(同い年です)や郷ひろみ(なんと65歳)みたいになるわけではないのです。