昨日のNHKスペシャル、『藤井聡太二冠 新たな盤上の物語』は大衝撃でした。
いくつか大衝撃があったのですが、次の手を読むときに、符号が頭の中を走っていくという話に驚愕です。エッ!!!!!!!! ソウナノ?????? って感じです。てっきり、棋士の頭の中にも将棋盤があって、駒が縦横無尽に動き回るものだと思っていました。プロ棋士は、何万もの将棋の局面を、図形として覚えているなんていうのは、都市伝説だったのですね?
プロ棋士は、1手指すのに、普通は4億手くらい読むそうです、4億手読むと25手先までの局面が比較できます。
ところが、藤井聡太二冠は、ここから更に2億手を読み、27手先までの局面を想定できるのだとか。
25手先を見ている棋士と、僅か2手ですが、その先を見ている棋士では、指し手にはっきりした優劣が現れるそうです。
さて、ちょっと話が変わります。実は、かねがね不思議に思っていたのが、珠算です。
珠算の世界では、土屋宏明さんという驚異的な名人がおります。なんと名人位を10期連続で獲得しています。珠算名人戦は2年に1度の開催ですから、なんと18年間も珠算界の頂点に君臨し続けているわけです。
珠算人口の60万人に対して、将棋人口は1200万人と、20倍の差があります。その結果、藤井聡太二冠と比べて、土屋宏明名人の知名度はそれほど高くはありません。珠算業界では、誰もが知っているスーパースターなんですが、ネットニュースの1面は飾れません。
しかし、その技量・才能は特筆されて当然です。YouTubeから、名人戦ダイジェストを貼り付けましたので、ちょっと見てください。ビックリします。
土屋名人の卓越した才能の源がどこにあるのか?と長いこと悩んでいたのですが、藤井二冠の「符号で思考する」という言葉から、やっとわかったような気がします。
恐らく土屋名人は、頭の中でそろばんをはじくようなことはしていないのではないでしょうか。数字を数字のままに、コンピューターと同じように、デジタルに変換して処理しているとしか考えられません。他の人と思考の方向が違うのでしょう。
さて、私たちも鍛えれば、こういう境地に達することができるのでしょうか? それとも、一握りの天才だけが見ることのできる高見なんでしょうか?
とってつけたような結論ですが、若い人も、もう若くない人も、きっと前者だと信じて頑張ることが尊いような気がします。