菅義偉氏が自民党総裁となり、第99代の内閣総理大臣に就任することが確実になりました。
憲法に「行政権は内閣に属する」と決められています。行政権とは何か?ですが、行政を明確に定義することはできないそうです。国がおこなうすべての行為から、立法と司法を除いた、あらゆる行為を行政といいます。三権分立というのは、三つの行為が別々に存在するという意味と、国のおこなう作用には三つしかないという意味があります。
事程左様に重要な内閣が、新たに形成されます。
憲法第66条_内閣は、首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
憲法第67条_内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。
憲法第68条_内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。
憲法で、「国民→国会→内閣総理大臣→国務大臣」という順番が決められています。
国会についての憲法の条文も載せておきます。
憲法第41条_国会は、国の唯一の立法機関である。
憲法第42条_国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
憲法第43条_両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
さて、菅内閣が安倍内閣と、どれほど同じで、どれほど違うのかはわかりません。一つ、はっきりしているのは、菅内閣では行政改革に特に力を入れるという方向性が明示されているということです。菅義偉さんの強い信念が伺えます。
先の順番には続きがあって、「国民→国会→内閣総理大臣→国務大臣→行政官(官僚)」で行政は回ります。近代国家が行政をおこなうには、「官僚制」という合理的・効率的な制度が不可欠です。それは、行政機関や軍隊などに限らず、中堅以上の規模の企業や組織では等しく重要です。
官僚制とは、「権威による支配」を意味します。上位の役職者が、下位の役職者に、権威を使って命令します。下位のものは、その命令に支配されます。そして、活動して報連相です。
官僚制では、①標準化、②階層性、③公平性 の特徴があり、何と言っても効率的です。
尚、③は没人格性と言われるものですが、言葉が悪いので置き換えます。要するに、その活動を誰がやるのかは関係なく、組織として何をやったかだけが重要です。標準化と階層性がきちんと機能すれば、極端な話では、仕事は誰がやっても同じ成果があがるわけです。
但し、官僚制にはデメリットもあります。官僚制の逆機能とよばれるものです。
この機会に、あなたの会社の官僚制にどんな逆機能があるのかを考えてみてもいいかも知れません。それとも、「うちの社員は、社長の言うことも聞かない。そもそも官僚制が機能していない」なんて、嘆いていますか? まぁ、それはそれで問題です。