飲食関係の事業者さんから受ける相談には、いずれも返答に苦労しています。
テイクアウトやデリバリー、通信販売・ネット販売にチャレンジできる事業者さんが、そんなに多いわけではありません。コロナ騒動の直前まで業容を拡大していた事業者さんほど、直近の業績悪化が顕著になっています。閉店して廃業するところも、まだまだ増えそうです。
帝国データバンクの、上場企業(外食産業)の月次売上高動向調査(2020年7月分)のデータから加工して右に掲載しました。
全61事業者を、前年同月(2019年7月分)の店舗売上高と比較しての増減(%)で上位から並べたものです。
61事業者のうち9事業者(15%)は、前年同月より売上高が増えています。残る52事業者(85%)は減っています。
売上高が最も増えているのは、「町田商店」などラーメンチェーンを展開しているギフトです。昨年8月にラーメン天華を買収したことも影響しています。
2位のアークランドサービスは、とんかつの「かつや」ブランドが有名です。
ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)、モスバーカー、マクドナルド、のバーガー御三家も、売り上げが増えています。
テークアウト業態が、コロナ騒動のなかでは強さを発揮しています。
前年同月比で売上高を落としているものの、落ち込みが大きくなっていないのは、くら寿司、元気寿司などの回転すし。吉野家、松屋、王将、ココ壱番屋、丸亀製麺などのお店です。やはり、テークアウトにも対応しやすい業態です。
もう少し大きく売上高を落としているのが、ジョイフル、すかいらーく、サイゼリアなどのファミリーレストランです。
そして、コロナ騒動の影響を最も受けているのが、居酒屋やビストロなど、アルコール類を提供する業態です。
特に、首都圏・関西圏に厚く店舗展開している事業者の売上が減っています。また、高級店ほど影響が大きくなっています。
これらのお店は、インバウンド需要や、好景気によって、コロナ騒動の直前までの業績がよかっただけに、反動がひどいです。
多店舗展開している上場企業の場合には、まだ打つ手もありますが、地方の小規模事業者は途方に暮れています。
「Go To Eatキャンペーン事業」がはじまりますが、飲食事業者でもコロナ騒動の影響は様々です。大きな影響を受けている事業者に対して、重点的に支援がいくような仕組みでなければなりませんが、果たしてどうでしょうか?