過去1週間のイギリスの新型コロナ感染者(検査陽性者)は4,444人で、新型コロナ関連の死者は454人です。それでも、英国国立統計局は、来週から新型コロナ関連の報告を簡素化すると案内をしました。<英国統計局 http://www.ons.gov.uk/ons/index.html>
同じ期間の日本の新型コロナ感染者(検査陽性者)は4,139人で、新型コロナ関連の死者は5人です。尚、日本では、累積の死者でも988人です。
1週間の検査陽性者数は同じくらいですが、イギリスの人口は日本のほぼ半分です。
日本では、マスコミ・政治家・専門家たちが、何とかして新型コロナの脅威を大きく見せようと、各種のパフォーマンスを繰り広げています。最近では、奇人・変人としか思えないような専門家?による珍説・奇説の乱れ打ちという様相です。
さて、数字だけみれば日本より100倍も深刻に見えるイギリスですが、新型コロナ感染症の脅威は、もう大きく取りあげる段階ではないと判断されているようです。
何故でしょうか?
下のグラフが答えです。イギリス(正確に言えば、イングランドとウェールズ)の週毎の報告された死者数を示したグラフです。
破線が、1週間の死者数の過去5年間平均です。実線が2020年(今年)の実績です。
上のグラフが全死者数で、下のグラフがインフルエンザと肺炎(以下は、肺炎と書きます)の死者数です。
2020年の最初の12週(3月16日の週)まで、イギリスの死者数は全死者数も肺炎の死者数も過去5年平均を下回っていました。それが、13週(3月23日の週)から上回るようになります。ここから、24週(6月8日の週)まで過剰死亡が続きます。
16週(4月13日の週)には1週間の過剰死亡が11,854人、17週の過剰死亡は11,539人です。さすがに、この人数が亡くなればパニックになっても当然です。
今の日本は検査陽性者(しかもほとんが無症状かとても軽症です)が1日に800人だとか騒いでしますが、この頃のイギリスでは1日に1500人とか2000人が亡くなっていたのです。
2020年になって、7月10日までの全期間でみると、イギリスの全死者数は過去5年間の平均より53,419人多くなっています。イギリスの新型コロナ関連死者数が50,946人です。イギリスで2020年に発生した過剰死亡は、新型コロナウイルスの影響と考えられます。
その後、イギリスの過剰死亡は25週(6月15日の週)からは、連続して過去5年間の平均死者数を下回るようになりました。25週から28週(7月6日の週)までの4週間では、新型コロナ関連死が2,287人発生していますが、総死者数では5年平均を982人下回りました。
さらに注目すべきなのは、肺炎死者数が5年平均を下回っていることです。直近の28週でみれば、5年平均の肺炎死者数1,452人に対して、新型コロナ関連死366人を含んだ肺炎死者数が1,283人。5年平均を169人下回っています。
肺炎は高齢者、喫煙などによる肺疾患、肥満などによる糖尿病などのリスクがある人を最期に死に至らしめる病因です。新型コロナウイルスも、インフルエンザウイルスなどと同様に肺炎を引き起こす原因の一つです。強く言えば、一つに過ぎません。
最終的に肺炎で亡くなる人の最後の原因に新型コロナウイルスが関与していたとしても、死者数の総数が増えるわけではないのです。
そういうわけで、英国統計局は来週からウィークリーレポートの分量を減らすと発表しました。日本の対応とのあからさまな違いに驚きませんか?
イギリスでは、人口比を考慮すれば、今も日本の2倍以上の感染者(検査陽性者)が出て、毎日、数十人から百人以上の新型コロナ関連死があるにも関わらずですよ。
日本のように、検査陽性者がどの店で、どの学校で、どの病院で・・とおどろおどろしく恐怖を煽る演出をして、不当な差別や非難をするのが、健全なこととは思えないです。
参考に、英国統計局の週報から、いくつかのグラフを貼り付けておきます。
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