公共サービスは公営か民営か

電気・水道・郵便・医療・交通・福祉・ごみ収集などの公共サービスの運営を公営でおこなうのと、民営でおこなうのとでは、どちらが優るでしょうか?

 

利用者である住民の経済的負担は、原理的には公営でも民営でも同じです。公営の場合は、支払う価格が安いように思いますが税金の形で差額を払っています。公営から民営に変わった場合に、価格が上がらずサービスがよくなったといったことがあっても多額の補助金が使われていたりします。やはり、補助金は住民からの税金です。

 

パッカー車
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公共サービスの担い手が、公・民のどちらが良いかを決めるのは結局のところサービスを提供する側の気持ちにあります。

民営化すればコストが縮減できるというのは都市伝説だと思います。もし、民間の人は公務員より薄給で働くとか、公務員は民間人より働かないということがみんなの総意であるなら、その基本が間違っています。

 

公務員(特に地方公務員)が、社会の役に立ち、地域を元気にすることを実感できると頑張っていくのであれば公営に何の不満はありません。

利用者である住民も、喜んでそのサービスを受けるので需要も伸びていきます。

逆に公務員が、自らの安定だけを望んで、住民へのサービスを怠るのであれば、使う人の不満が大きくなります。 

 

民間に委託した場合でも同じです。従業員がおもてなしの気持ちで仕事に取り組めば、同じ費用でもサービスの質が高まります。住民の満足感が、働く人のやる気を高めていけば、どんどんよい仕事ができて、さらによくなります。

ところが、経営者が自らの利益だけを強く追及すると怪しくなります。公共サービスの需要は底堅いので、儲けを出すことは可能です。安かろう悪かろうのサービスは、使う人=使わざる得ない人の不満をさらに大きくします。

 

人口が減っていくという日本社会の将来は変わりません。公共サービスは受け手が減っていくのですから、そのなかで担い手はサービスの質を向上させていかなければなりません。

それは、結局は担い手側の気持ちです。その気持ちを高めるには、どうするのかを、それぞれの組織の全員が考えないといけません。