デジタルリマスター版は、過去の映画や音楽などを、最新のデジタル技術を使って、再度マスタリングした作品のことです。クリアで美しい映像と音楽に変わっています。
コロナ騒動で、俳優やスタッフが集まれません。そのため、新しい映画やドラマを撮影することが難しくなっています。演劇や音楽もお客さんを集めることが困難ですから、赤字続きになります。そこで、過去の作品のデジタルリマスター版が多数つくられています。
リマスタリング自体は、ずっと昔からおこなわれていたそうです。
古い音源や映像を、そのときの最新の音響技術や画像編集技術を用いてマスタリングし直すことで、より良い音質や画質にすることができます。
このリマスタリングは、デジタル技術を使っておこなわれます。アナログの音源や記録をデジタル化する場合もなりますが、元々デジタル記録のものをリマスタリングする場合もあります。
以前は、リマスタリングが話題になることは少なかったと思います。どちらと言えば、リマスター版ということを隠すか、特に宣伝しないで配給していました。
ところが、このとことはリマスター版ということを”売り”にした作品が増えています。特に、音楽作品の場合は、リマスタリングをおこなったマスタリング・エンジニアの名前を出して、宣伝をするケースが増えています。
やはり、マスタリング・エンジニアの感覚や個性が出てくるものなんだろうと思います。
もちろん、音や映像の記録から、汚れや揺れや無くなり”綺麗”になること、音や映像の解像度を上げてクリアなものになること、は良いことではあります。
4Kから8Kへと時代が進歩するなか、デジタルリマスターはますます重要な技術になってくることは間違いありません。
ただ、何だか風情というか、郷愁のようなものが、ちょっと微妙に思われるのです。オリジナル版もしっかり残しておいてもらえるといいなぁと思います。