今日のナゴヤドームでの中日戦で、広島カープが球団タイの1イニング11安打を含む23安打で19得点をあげて大勝しました。
広島カープのこれまでの最多得点の記録は、1950年(昭和25年)に22点(対大洋)というのがあります。この1950年というのは、プロ野球がセ・パ両リーグに分かれて、カープという球団ができた年です。前年まで1リーグ制8チームだったのが、2リーグ制15チームに増えたことで、かなり乱暴な試合があったようです。ちなみに、大洋(現在のDeNA)のチーム最多得点も1950年の28点(対中日)、中日も1950年の22点(対阪神)でした。
さて、プロ野球で1試合19得点はかなり稀な出来事です。カープの過去5年間、緒方孝市監督時代の得点分布を調べてみました。
2015年に16点、2018年に15点というのがありますが、17点以上あげた試合はありません。この5年間の平均値は4.85、中央値は4、最頻値は3です。
統計では、ポアソン分布という考え方があります。
確率変数 X が平均 λ のポアソン分布に従うとは、X の確率分布が
P(X=k)=(e^-λ×λ^k)/k! (k=0,1,2,3,…) であるときです。
eは自然対数の底(2.71828・・・・)で、k!はkの階乗(1×2×3×…×k)です。
上のグラフにポアソン分布の期待値を重ねてみましょう。
もし、カープの1試合得点がポアソン分布に従うのであれば、例えば、1試合19得点の試合が観られる確率を、予め知ることができます。楽しみですね。
しかし、グラフで示したように、カープの実際の試合の得点はポアソン分布に従いませんでした。残念でした。
実は、サッカーのように一度のプレーで1点づつ得点が入る競技では、得点分布はポアソン分布に従うことが知られています。
ところが、野球では、一度のプレーで満塁ホームランなら4点入ります。野球の試合では、得点にゲームとしての偶然の要素が大きく影響することから、確率分布に従わないようです。
今シーズンは、コロナ騒動があって、鯉のぼりを仕舞ってからのプロ野球開幕です。そのせいか、ここまで波に乗れないカープですが、この大勝をきっかけに上昇して欲しいものです。