三密を避けるには、空気を入れ替える「換気」をしっかりすることが効果的です。
換気扇を日本で最初に販売したのは、芝浦製作所(今の東芝)で、1925年(大正14年)のことです。当時の日本の建物は、気密性が高いわけではなかったので、換気扇が普及することはありませんでした。戦後になって、1956年(昭和31年)に住宅公団がいわゆる団地(公団住宅)を建てるようになって、台所に換気扇がつくようになったようです。
日本の伝統的な家屋では、換気扇なんかなくても、空気はじゃんじゃん入れ替わっていました。私の生まれた家(比喩ではない)なんか、現代の感覚では屋外に住んでいるようなものだったかも知れません。
しかし、鉄筋コンクリート製の公団住宅にはじまって、現代の住宅では気密性が格段に向上しているので、換気扇に活躍してもらわなければなりません。
さて、換気には大きく「自然換気」と「機械換気」の2種類があります。
先ずは「自然換気」からです。
コロナ対策では、「2方向の窓を、1時間に2回以上、1回に数分間程度、全開にする」ように推奨されています。
ポイントは、”2方向の窓”です。可能であれば、対面した窓が好ましいのですが、無理ならできるだけ離れた場所にある窓を開けます。一つの壁面にしか窓が無いのであれば、扉を開けましょう。風の通り道をつくってやらないと、空気が入れ替わりません。
次に「機械換気」ですが、機械換気には3種類あります。
「第1種換気」は、吸気も排気も両方を機械でおこないます。
「第2種換気」は、吸気だけが機械です。
「第3種換気」は、排気だけが機械です。
さらに、換気には「全体換気」と「局所換気」の2つがあります。「局所換気」は、台所のレンジフードにある換気扇を回すようなことです。
ちょっと以前でしたら、「第3種換気」のしかも「局所換気」が主流でした。最近の住宅では「全体換気」をおこなっている例が多くなっています。
トイレや浴室の換気扇を回しっぱなしにしたり、長時間運転している(あるいは、することができる)家は多いと思います。この場合、居室の吸気口から入った空気が、トイレを経由して、換気扇から建物の外に出ていっています。これも、全体換気になります。
「第2種換気」は、ちょっと不思議に思われるかも知れませんが、室内を陽圧に保たなければならないクリーンルームなどで使われる換気です。
そして、現在の注目は「第1種換気」です。第3種換気の居室への吸気を機械を使っておこなえば、第1種換気です。吸気する場所がきちんと決まるので、「2方向の窓」と同じで室内の換気が効率的におこなえます。
さらに、第1種換気では全熱交換機を取りつけるケースが多いので、省エネにもなります。全熱交換機とは、例えば冷房をしている夏場であれば、暖かい外気が流れる吸気側と、冷たい室内の空気が流れる排気側で熱交換をする装置です。つまり、空気は入れ替えるのですが、熱は入れ替えないというわけです。
新型コロナで換気に注目が集まっています。