再委託問題の渦中にある電通ですが、定款(25)警備業法に基づく警備業 とあります。
電通は、日本基準での売上高が5兆5千億円にもなる巨大企業です。定款には、”(1)広告、広報に関する企画および制作” からはじまって、事業目的が103個も書いてあります。そのうち (25)番目が警備業です。警備員は在籍していないでしょうが、警備会社としては日本一の規模です。
警備専業の会社では、セコムが第1位です。売上高が4000億円くらいです。2位は総合警備保障(ALSOK)で2400億円で、この2社が2強です。
3位はセントラル警備保障(CSP)ですが売上高500億円と少々水が開いています。
以下、第20位までが売上高が100億円を超えています。さらに、売上高が50億円を超える警備会社は約50社です。このクラスで、警備員が1000人くらいになります。
日本の警備会社は、もろもろ合わせてなんと1万社もあります。警備員の数は約55万人です。このうち、セコムとALSOKの2社で約10万人です。
要するに、警備会社の99%は中小零細企業ということになります。
この中小零細の警備会社の経営が結構大変です。新型コロナウイルス感染症の拡大防止ということで、お祭りや各種イベント、スポーツの試合・コンサート・舞台公演などが全て中止になっています。大型パチンコ店の駐車場整理なども減っています。
確実な売り上げが見込めない状況が続いているので、警備会社は経営継続に悩んでいます。
直接警備員だけで1万4千人が予定されていた東京オリンピックは1年延期になりました。多くの来客が見込まれていた東京オリンピックでは、競技場や選手村の直接警備員以外にも、周辺施設・関連施設の警備増員も必要です。トータルでは10万人の警備員が必要と言われていました。
もちろん、警備員といっても、能力や技能には大きなバラツキがあります。極端な話、学生アルバイトと、暑さに立っているのもやっとの高齢者ばかりということになりかねません。
新型コロナ禍が、今の状況で続くと、来年のオリンピックに、しゃんとした警備員がこの人数揃うのか心配です。
もともと人材不足に悩んでいた業界でもあり、コロナ禍でも人を失わないようにしなければなりません。セコムとALSOKでは不安もありますから、電通に再委託することも考えないといけませんかね?ちょっと気にしておいてください。