6月は環境月間です。日曜日に、「アラル海消失」の記事を連載しようと思います。
令和2年版の理科年表で、世界の広い湖(面積)は以下のようになっています。
1位:カスピ海(374,000㎢)、2位:スペリオル湖(82,367㎢)、3位:ビクトリア湖(68,800㎢)、4位:アラル海(64,100㎢)、5位:ヒューロン湖(59,570㎢)。
世界4位の広さを誇るアラル海の現状はどうなっているか?です。
アラル海は面積では1960年でも2020年でも世界第4位の湖となっています。しかし、衛星写真ではアラル海があった場所は白い塩の平原が広がるばかりです。実際に湖面がある面積は約10分の1まで減っています。
アラル海の面積は、日本では東北地方に匹敵します。日本最大の湖、琵琶湖の100倍を超えています。1960年にアラル海が貯えていた水の量は約1兆0900億㎥でした。瀬戸内海の水の量が8800億㎥ですから、その大きさが想像できます。
ところが、現在のアラル海が貯える水の量は、1960年の40分の1、約270億㎥まで減っています。琵琶湖の通常時貯水量が約275億㎥ですから、これを下回っています。
これは、1950年頃からソ連で始まった大規模な灌漑事業が原因です。アラル海に流れ込む二つの大河、シルダリアとアムダリアの水を取水して、農地を拡大していきました。
このため、アラル海の貯水量は見る見るうちに減っていきます。1960年から1970年代にかけては、1日に150mも湖岸線が後退していきました。
20世紀の最大の地球環境破壊と言われることもあるアラル海の消失と再生ですが、あまり省みられることがありません。4回シリーズで毎日曜日に連載してみようと思います。