山口県はブルーカーボンで世界に貢献できる

コロナに飽きてきたので、久しぶりに地球環境問題について書きます。

 

「ブルーカーボン」という言葉をご存じでしょうか? 簡単に言えば、海の生物によって大気中の二酸化炭素が取り込まれて、海域で貯留される炭素のことです。一方で、森林など陸の生物によって陸域で貯留される炭素のことは「グリーンカーボン」といいます。地球温暖化の進行するなかで、「ブルーカーボン」が注目を集めています。

 

 

NPO法人国際環境経済研究所のwebサイトより
NPO法人国際環境経済研究所のwebサイトより

ブルーカーボンの説明は、NPO法人国際環境経済研究所のwebサイトに詳しく掲載されていますので、是非参照してください。右の画像にリンクを貼っています。

 

人類がエネルギーを使うことで大気中に放出される二酸化炭素の量は年々増えてきています。現在では、大気中に放出された二酸化炭素の50~60%を生物(植物)が吸収して貯留しています。

 

ポイントになる情報は、次の3つです。

1. 森林など陸地で貯留される二酸化炭素の量と、海で貯留される量は概ね同じくらいです。

2. 海で貯留される二酸化炭素の75%は、太陽光が海底まで届くような海岸近くの浅い海が占めています。この浅い海は、海全体の面積の1%未満です。

3. 日本の浅い海で二酸化炭素を吸収するのは、その54%が海藻で、23%が海草です。

まとめると、海岸近くの海藻や海草、つまり「ブルーカーボン」は、地球温暖化防止にめちゃめちゃ役に立っているというわけです。

 

ここで山口県の出番です。山口県は本州の最西端に位置し三方に海がありますから、海岸線の長さが全都道府県のなかで6番目です。北海道が1位で長崎県が2位、以下鹿児島県・沖縄県・愛媛県の順です。しかも、「ブルーカーボン」の活用には、海岸線が長いと言っても島が多い長崎県や沖縄県より、本州の海岸線が長い山口県の方が有利なところもあります。

 

アマモ(海草)
アマモ(海草)

尚、「海藻」は藻類で、胞子で増えるもので、根・茎・葉の区別がはっきりしていません。ノリ、コンブ、ワカメ、モズク、アオサ、テングサなどが「海藻」です。

一方で、「海草」は種子植物で、種子で増えます。根・茎・葉の部分の区別ができます。アマモやスガモなどが「海草」です。

 

山口県の海岸線にある海藻藻場・海草藻場を保全して、拡大することは、漁業生産高(地魚やイカなど)を増やすことにも貢献しますが、地球温暖化の抑制にも大きな役割を果たします。

山口県で「ブルーカーボン」に注目した技術開発や産業育成が進めばいいなぁと思います。