結局、何のリスクアセスメントをしないままに全国に緊急事態宣言となりました。
今まで学んだこと、経験したこと、知識としていたこと、全く覆されました。なぜ、こんなことになってしまったのだろうか? マスコミやタレントが煽った、政治家がこれに乗ってパフォーマンスをはじめた、これに学者が何故か乗っかかった、最後は金の亡者たちが群がってきた。結局のところ、損をするのは若者と今から生まれる(かも知れない)子供たち。
医師の中でも、小児科医とか内科医とか感染症以外の方の意見が聞かれるとよかったです。
工学や理学の学者さんも、専門外と逃げずに自らの知見を述べてもらえればよかったです。
人文社会系の学者さんや、特にまともな宗教家の方などには、臆させずに話をしてもらえていればよかったです。
日本で最初の新型コロナウイルスの感染者が見つかったのは1月15日。2例目が1月24日で、1月31日までに13例が見つかっています。
この時点では、武漢市に居住していた日本人あるいや在日中国人の方が多く、うち1例が武漢からのチャーター便での帰国者です。そして、うち2例が武漢からの観光客を乗せたバスの運転手さんとガイドさんでした。
2月5日というごく初期の時点で新型コロナ感染の患者さんを治療していた、国立国際医療研究センターの症例報告が厚生省の新型コロナQ&Aに今でも掲載されたままになっています。
是非、多くの方に読んでもらえればいいと思います。
リンクが外れるといけないのでpdfを載せておきます。
この報告書の考察を抜粋します。
「これらの現状を鑑み,我が国における 2019-nCoV感染症では、感染そのものを封じ込めることを目的とするよりは,致命率の低下と医療体制の維持をめざすことが良いと考えられる。具体的には感染症指定医療機関や都道府県の指定する診療協力医療機関で重症例を対象として治療を行って致命率を低下させることを目指し,軽症例は全ての医療機関で診療を行う医療体制を構築することが望ましい。また,感染防止対策については,日頃からの標準予防策の徹底と,接触予防策・飛沫予防策を遵守することが重要と考えられる。」
至極真っ当なことが書かれています。2か月半経った日本で、感染そのものを封じ込めるための緊急事態宣言が、全土に発出されるとは夢にも思わなかったです。
ところで、緊急事態宣言の緊ですが二つ重ねるとなんて読むか知っていますか?
答えは「ひしひし」です。意味は「少しのゆるみ・隙間(すきま)もないさま」です。
「緊」は1文字で「ひし」とも読みます。意味は「離れないように、すきまなく密着しているさま」
用例は、「 -とだきしめる」 「 -としがみつく」です。
3密(密閉、密集、密接)を避ける宣言が、「緊」というのも皮肉です。
そうは言っても、指示には従うのが私たち日本人なので、外出自粛しています。まぁ、もともと、診断士の仕事はテレワークですし、訪問するところも減っているので自然とそうなるのですが。それでも外出が必要なときや、人と会うときはマスクを着用しています。手洗いは小まめにしています。洗口剤もアルコール入りに変えてみました(笑)。
ジョギングには出かけますが、川沿いコースには人家も疎らで人がいません。この辺りでは、接触しようと思っても、人が少ないのです。
ところで、人との接触を8割減らすということなら、緊急事態の区域を人口密度で区分してはどうでしょう。東京の区には人口密度が2万人を超えるところがあります。大阪市が1万2千人超、横浜市が8千5百人、名古屋市が7千人超です。
宇部市は山口県のなかでは大都会ですが、それでも人口密度は600人です。秋吉台のある美祢市は60人、イージスアショア設置で話題になった阿武町が山口県で最も少なくて30人です。何を基準にする8割かがわからないのですが、全国一律はやっぱり変だなぁ?