検査には誤りもある~新型コロナ

皆さんも受けたことのあるインフルエンザの検査で感度は約60%です。

 

このブログでは品質管理や環境分析について、ときどき書いています。検査や分析というものは100%の信頼を置くことはできません。医療分野では偽陽性・偽陰性と言いますが、不合格品を合格と判定する消費者危険、合格品を不合格品と判定する生産者危険は品質管理の基本です。PCR検査の感度は未だ評価できないでしょうが、100%でないことは確かです。

 

インフルエンザの検査
インフルエンザの検査

インフルエンザの検査感度は約60%と判っています。つまり、インフルエンザウィルスに感染していても40%の人は陰性と判定されます。

逆にインフルエンザウィルスに感染していなくても約2%の人は陽性と判定されます。これは感度の逆です。特異度98%と表します。

そんな検査意味ないじゃん!と言いたいですが、検査というのは大抵こんなもんです。

 

成人病検診・がん検診に行くと、何かしらに引っかかることがあります。再検査とか精密検査を受けることになります。今のところは毎回最後には陰性と評価されています。貴重な時間をつぶして病院を儲けさせているだけのような気になりますが、それも仕方ないですね。

 

今回の新型コロナとインフルエンザの違いはよくわかりません。新型コロナのPCR検査はインフルエンザのような迅速検査ではないので、検査そのものの精度は高いと思います。しかし、検体の採取から保管、移送といった部分ではクリニック内で検査が完了するインフルエンザより新型コロナのほうがエラーの発生確率は高そうです。

 

恐らくですが、現在のPCR検査では感染していない人を陽性と判断しない。つまり、偽陽性を出さないという配慮をしていると思います。下の図では、パターン2に近いと思います。

仮に感度95%、特異度99%という非常に高い精度の検査が実施できているとして、検査で陽性になった人の半分は本当は感染していないということになります。そして、感染者の5%が陰性(偽陰性)と判定されて街に出るということです。

 

感染者を野放しにすることは許されないと、感度を上げた検査をすれば、感染していないのに陽性と判定される(偽陽性)人がどんどん増えていきます。

あちらを立てれば、こちらは立たずです。

 

迅速検査キットが開発されたとか、開発しろとか言われますが、当然ながら検査精度が大幅に落ちるはずです。検査・検査と騒ぎ立てるのは意味が無いのでやめましょう。

 


仮に1万人を検査して感染している人が100人の場合・・