会社の人事で一人の人が複数の役職を兼務する場合があります。
○○部長兼○○部長兼○○室長 といった役職がついている人もかなり多いと思います。一般論では、複数の役職を兼務することは権限が集中することになって不具合だと言われます。会社によっては、兼務を禁止したり制限している場合もあります。
しかし、経営者に近くなるほど部下を兼務させたくなるのです。それは、一人の人に権限を集中させてみたくなるということでもあります。
会社では新たな部署を設置する必要というのは、時々出てきます。新しい事業を興すときに部署ができるのはわかりやすいですが、特殊なトラブルが起こったから、そのトラブルに対応する部署をつくるとか、法律や規制が変更になったから対処するためにチームを編成するとかといったこともあります。
たいていの場合、一度つくった組織は仕事がある以上はなくなりません。つまり、会社ではいつのまにか部署の数が 増えていくことになります。マネージャーの数が増えていって、専門的な業務をおこなうメンバーというものが生れていきます。
部署をつくるときは必要だからつくるのですが、時間が経つほど効率が下がっていきます。そこで、一人のマネージャーに複数の部署を兼務させるということをします。
兼務する=兼務できるということは、その部署どうしでは業務に何らかの関連性があるということです。つまり、マネージャー期待しているのは、複数部署の業務の棚卸なのです。一旦、業務をバラシてから、組み立てなおすことで下がってきた効率を戻してくれることを経営層は望んでいるのです。
ところが、マネージャーによっては兼務しているそれぞれの部署でそれぞれに居心地よく仕事を続ける人もいます。経営者は必ずしもマネージャーに期待の全てを話していないこともありますから、そんなマネージャーなら全社の業績に目配りできない人材という評価を受けるかも知れません。ご用心、ご用心。