地震で亡くなった人が山口県では3人しかいません。これは、歴史上の全ての記録からです。
山口県で死者3人という地震が起こったのは宝永4年10月28日のことです。現在の山口市徳地という地域でした。この地震は、この年10月4日に南海トラフを震源として発生した超巨大地震(宝永地震)の誘発地震です。南海トラフ、つまり和歌山県沖を震源とした巨大地震が遠く山口県の内陸部で局所的な直下型地震を誘発したのです。
山口県は地震による被害が少ない県です。実際、宝永地震から300年以上死者が出るような地震がありません。宝永地震の前も、少なくとも1000年以上は大きな地震に見舞われていません。
近い将来の発生が懸念されている南海・東南海地震が発生したとしても、山口県内での人的被害は少ないと予想されています。
このため、山口県では地震に関する危機感がとても薄いのです。まぁ、この意識は合理的なことでもあります。
それでも、山口県で地震の被害の可能性が全くないかと言えば、そんなこともないのです。先に書いたような、予測できないような誘発地震もあります。ちなみに、宝永地震のときの大きな誘発地震は震源地から遠く離れた長野県でも起こりました。
山口県内にも、100本くらいの活断層が知られていますし、宇部大原湖や下関菊川、岩国小瀬などはM7クラスの地震の可能性があります。ただ、この地震が今日起こるのか、1万年後になるのかはわかりません。
事業継続計画を考えるときに、地震のようにリスクの原因を追究するではなく、喪失が予想される機能に着目する理由はここにあります。