阪神淡路大震災から25年が経ちました。この地震では多くの人が崩壊した建物の下敷きになって亡くなりました。
阪神淡路大震災では全壊した建物だけで10万棟以上、全半壊では約25万棟と言われます。震災での死者6434人の犠牲は古い木造住宅に集中しており、地震の「直接死」した人の8割が建物の下敷きになっての圧死です。更に、このうち1割はや家具の下敷きになりました。阪神淡路以降には、建物の耐震化を強化する施策が取られてきました。
金融機関からの借入に担保を差し入れることがあります。その場合、金融機関は土地を担保にすることが一般的で、建物を担保に取ることは稀です。
建物が建っている土地では必ず建物を時価査定して担保に取ることを義務付けてはどうでしょうか?正確な時価を査定することを求めるというのが、ポイントです。
戸建て住宅の場合は築20年くらい経てば、上屋は価値がゼロ査定になるのが普通です。建物の状況が大いに異なるので、十分な価値がある魅力的な物件もあります。
建物の評価を築年数で乱暴に決めるのではなく、実態で評価する機会をつくることが、建物の耐震化を進めたり、建築基準法違反状態をつくることを避けることにならないでしょうか?
建物が担保になるとなれば、耐震性に優れた建物を建てておこうという動機づけになります。また、逆に建築基準法やその他の法令規則に違反している建物や、構造であれば担保価値を厳密に減ずるということを決めれば、違法な建築物が減ります。
工場や倉庫などで、たまに建物のなかに勝手に中二階をつくって増床しているケースがあります。地震で中二階が倒壊すれば下にいる人は亡くなります。
住宅などでも、建蔽率を超えて下屋などで増床していることがあります。地震の後で火災が発生した場合、類焼して焼死者の数が増えます。阪神淡路大震災の犠牲者では550人余りが火災による焼死です。いくらかは、違法建築による被害拡大があったと思われます。
さらに、危険なあるいは違法な空き家が建っている場合はマイナス査定として、土地建物一体の担保価値を減じるわけです。(徴税の基準は変えません)
現在でも、土地の価格は下落をしています。相対的に不動産では建物の価値が占める割合が高くなっていると思います。いかがなものでしょうか?