好記録が連発しているナイキ社の厚底シューズを規制しようという動きがあるようです。
個人的な意見としては、この靴は許されてよいと思います。似たような問題では、やはり好記録が連発されたスピード社の高速水着も規制しなくてよかったように思います。トップアスリートが記録を伸ばすのに、テクノロジーの力は重要です。ナイキ社が既製品として、普通の価格(ちょっと高めですが)靴まで規制するのはやり過ぎでしょう。
スポーツ競技において「公平性」は重要なことです。公平でみんなが同じ条件で競うことができなければなりません。
しかし、この公平性には個人があるいはチームが鍛えた身体的能力以外に、テクノロジーの競争も含まれて当然です。
ウサイン ボルトが履いている靴は100m走れば次の100mは走れないほど繊細につくられていると聞きます。イチロー選手の靴もグラブもバットも特注品です。
どんなスポーツでも、トップアスリートは道具にこだわります。鍛えた身体能力、考え抜いた技術、さらに道具のテクノロジーの競争も合わせて「公平性」が保たれることが重要です。
今回のナイキ社の厚底シューズは既製品で、誰でも(日本の市民ランナーであっても)購入して履くことができます。その点で「公正性」があります。
また、既に日本のミズノが同様なテクノロジーを利用した靴の販売を企画しているという話もあります。箱根駅伝の区間賞10人のうち9人がナイキの厚底でしたが、唯一10区の選手はミズノの非売品を履いて区間賞を出したそうです。
スポーツと言えばドーピングの問題も少しやり過ぎのように思います。身体的にダメージを与えるドーピングは禁止されるべきで、この点に疑いの余地はありません。
しかし、公平性という観点でのドーピング規制はそこまで必要とは思えません。競技力の向上につながるものは全て禁止というのは、ちょっとおかしいと思います。
先天的に男性ホルモンの分泌量が多い女性アスリートが競技から外されるということもありました。誤解を恐れずに言えば、トップアスリートはそもそも規格外なんです。日本人で10歳のときに身長190㎝・体重100㎏という少年は、やはり普通じゃないでしょう。でも、そういう規格外の人どうしが競うのがトップレベルの競技だと思います。
あまり規制で縛らずに、トップ選手は凄いなぁ~と、ただ感心して観ていればいいような気がしています。