株式会社AWHは、12月20日に静岡地裁沼津支部より破産手続き開始決定を受けた。
負債は約400億円、債権者数は約2000名が見込まれる。ということです。
AWHという会社は12月10日に社名と本店登記(アパートの1室)を変更しています。それまでの社名は株式会社淡島ホテルで、本店もその施設内にありました。オールスイートルームという構造の高級会員制リゾートホテルということです。
淡島ホテルは、今から約30年前の1991年に建設開業したホテルです。バブル景気の真っ盛りのことです。
建設したのは東京の第二地銀の一つ、東京相和銀行のオーナーだった長田氏とその一族。銀行のVIP接待も兼ねた施設ということで、フランスのシラク大統領も宿泊したことで有名になった。
バブル崩壊後、信用不安から資金流出が続いた東京相和銀行は1999年に経営破綻した。破綻処理には公的資金8000億円が投じられたということ。信用不安の原因には、淡島ホテルを含む経営陣の公私混同と思われるような活動があったということ。
バブル期につくられたリゾート施設が経営破綻した場合、その債権を他の企業がおこなうことがよくあります。有名な会社では、日本全国でリゾート再建に手腕を見せている星野リゾートですね。他には、ハウステンボスを再建したH.I.Sなどもあります。
この淡島ホテルは少し変わっていて、破綻前の昨年にオーナーが変わっています。不動産賃貸の保証代行などを手掛ける会社が経営を引き継いでいます。裏の事情は不詳ですが・・
リゾート事業というのは、経営するのも利用するのも、なかなか難しいものです。バラ色の夢を描いて経営に乗り出して失敗した経営者も多いですが、会員権が紙屑になったという経験をした一般の方も多いです。
本当のお金持ち・富裕層の人であれば、損失も笑って済ませられるかもしれませんが、身の丈に合わないお金を出した人は大変です。会員権の購入などは、十分に検討してから実行することが大事です。