海の国と陸の国

世界の国は海洋国家(海の国)と大陸国家(陸の国)に分けられるのだそうです。

 

海洋国家といえば、中世ではイギリス・スペイン・ポルトガル・オランダ・イタリアなどヨーロッパの国々が思い浮かびます。現代では、世界最大の海洋国家はアメリカで、もちろん日本も代表的な海洋国家です。一方で、大陸国家といえば、ロシアと中国という2大国が、いろいろな変遷はありながらも代表です。

 

フェニキアの帆船
フェニキアの帆船

地政学のセオリーでは次のようになっているそうです。

① 海洋国家と大陸国家は共存できる。

② 一つの国が海洋国家と大陸国家の両方の役割を果たすことはできない。

 

海洋国家は富の基本を交易に置いています。一方の大陸国家の富の基本は農業です。

海洋国家は自由貿易を指向して、貿易路を確保することが重要です。

大陸国家は領土を拡張、あるいは維持するために国境線を守ることが重要です。

 

海洋国家と大陸国家はそれぞれ生き方が異なるので共存できます。しかし、両方を兼ねることはできないのです。日本が第二次世界大戦で敗北したのは、日本は海洋国家であるにも関わらず、中国大陸に進出しようとした、つまり大陸国家にもなることを目指してしまったからだそうです。

 

現在の米中貿易戦争は、中国という巨大な大陸国家が海洋国家にも進出しようとしていることで起こっています。海洋大国アメリカは、地政学的なセオリーに反する中国に対して反撃をしているわけです。また、中国の海洋進出は日本を含むアジアの国々にも大きな緊張をもたらしています。日本が取るべき正しい選択は何か、考えるところです。