一般的なレストランの仕入原価率は30%くらいと言われています。
チェーン店などで大量仕入れで価格交渉できるお店とか、ドリンク売上がかなり見込めるようなお店だと仕入原価率は20%台だと思います。ところが、地方の個店経営だと仕入原価率が40%とかそれ以上になることがあります。飲食店の2大コストは、仕入と人件費ですから、人件費の方で調整することになります。
仕入原価率を上げる一つの要因に廃棄ロスがあります。仕入れた食材が使いきれずに、古くなって棄てるようなことです。
この廃棄ロスは、冷凍冷蔵機器の普及や小ロット仕入、メニューの工夫などによって、地方のレストランでもほとんど出なくなりました。
仕入原価率が高いのは、やはり仕入れ価格が高いことが最大の要因です。大量仕入れをすれば安くなりますから、メニューを仕入食材中心に絞り込みたいところですが、なかなか客商売ではうまくいきません。
こうなると、提供する価格を上げることを考えますが、これも経営者は逡巡します。本当は値上げしても構わないのかも知れないのですが、ちょっと恐ろしいです。
値上げの環境という面では、10月の消費増税のタイミングをとらえて多くの飲食店で価格改定ができたのは幸いでした。
仕入原価率の高いレストランや食堂を知ることがあります。ちょっと興味があってそういうお店で食べてみると、やはり美味しいのです。本当に値段関係なく美味しいのです。
問題は、飲食店は美味しいだけでは繁盛しないということなんです。どうやって、お店に足を運んでもらえるか、料理の味以外の顧客満足は何か、など考えないといけません。