個人情報は物理的に廃棄する

神奈川県庁の行政文書が蓄積されたHDDがネットオークションで転売されていました。

 

「総務省はHDDなど記憶装置の処分は、物理的に壊すか強力な磁気をあてて使えなくするよう求める通知を全国の自治体に出した」そうです。タイミング的には、「桜を観る会」問題で、野党の方が、データは消去していても復元できると言われていたところ。そこまでして個人情報を晒したいのかとあきれていたので、これも忖度されたニュースかも知れませんね。

 

ゴミバケツ
ゴミバケツ

HDDのデータは消去していてもどうやら復元できるようです。そこで物理的に壊すわけですが、私たちが昔やっていたのは尖った金属棒でディスクを突き刺して孔を開けるようなことでした。どうも、これでは生ぬるいようで、もっと徹底的に破壊する(切り刻むとか溶解する)ほうがよさそうです。

 

ディスクに孔を開けるのなら会社で自分たちでできますが、切り刻んだり溶かしたりはできません。業者さんに頼むことになるのですが、その業者さんが覗き見したり転売したりすると問題です。

HDDのような磁気記録媒体の場合は保磁力を大きく上回るような磁界を発生させる装置に入れると、記録の完全消去ができます。この消去をおこなったうえで、業者さんに出して物理的な処分をしてもらえば完璧です。

 

同じように紙媒体でも、シュレッダーに掛けただけでは安心できません。シュレッダーしたものを信頼できる業者さんに焼却か溶解かをしてもらう必要があります。

 

個人情報保護法が成立した当初は、デジタルもアナログも文書の完全廃棄が大きなビジネスチャンスになると考えられました。私の元いた会社は磁石材料をつくっていたので、大型の磁界発生装置をいくつか持っていました。一時期この装置を使って、HDDデータの完全消去をする子会社を運営していたこともあります。

 

最近は、その頃と違ってデジタル情報の保管できる量が膨大になっています。HDDの容量も大きくなっていますが、クラウド上などに無限に保管できます。職員のPCに機密データが大量に残されているということもあり得ます。

一方で個人情報の保護の機運は薄れました。個人情報が廃棄されずに、ずっと残っているのは、危険ですし、気味が悪いです。データの完全廃棄は重要なことです。