イージスアショアを山口県阿武町に建設する計画に対して反対運動が盛り上がっています。
個人的な印象ですが、最初にこの話が持ち上がったときには地元は歓迎するムードが強かったように思います。それが、どこからか一転して反対になったのか? 個人的には結構大きな謎です。まぁ、反対運動と言ってもどこまでの大きな差なのか、どれほど本気なのかは分かりません。マスコミのフェイクニュースに近いもののようにも思えます。
イージスアショアというのは、簡単にいえば、イージス艦のイージスシステムを船から外して陸上に置いたものです。
レーダー、指揮通信システム、迎撃ミサイル発射機で構成されます。北朝鮮が弾道ミサイルを撃った場合に大気圏外で迎撃するというものです。
騒々しくもなく、あまり危なっかしいものでもないので、来てもらえるなら有難いような気がしていました。ついでの、防災省の西の拠点を阿武町に(東は秋田県)設置してはどうかというのが、私の意見です。
ところで、阿武町はちょっと珍しい町です。平成の大合併で萩市と旧阿武郡の7町が合併しそうでした。ところが、阿武町だけが合併に同意せずに単独町制を維持したのです。
このため、阿武町の周りはすべて萩市ということになりました。
阿武町は1950年頃には人口1万1千人近くがありましたが、現在は1/3以下の3300人ほどです。20年後の2040年には阿武町の人口は1700人になると予想されています。そのときの人口密度は15人/㎢です。東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた面積が約1㎢ですから、ここに15人しかいないといえば、過疎さの加減がわかります。
阿武町のような過疎の地域では、多くの住民は本音ではイージスアショアのような施設がやってくることを歓迎していると思います。歓迎する理由は、過疎化への恐怖です。
ところが、こういった反対運動は、廃棄物処理施設や火葬場などの施設、さらには工場の建設や風力発電や太陽光発電など再生エネルギー関連施設の建設でも、必ずといっていいほど起こります。誰かが何かの目的で揚げた小さな反対の声が、どんどん反響しあって大きくなっていきます。その目的が果たされるのか?ちょっと心配です。
そして、誰もいなくなった・・・とならないように。