大会社では、納品時点を売上計上のタイミングにすることが強制されるようになります。
売上計上は企業会計で最も重要なことですが、実はそのタイミングは曖昧でした。倉庫から出荷した時点で売上計上したり(出荷基準)、顧客に納品していても検収を受けていないので計上しなかったり(検収基準)しました。基準を変えることができれば、売上高を高くしたり低くしたり調整することが可能です。
売上高を納品基準に統一すると、物流の大切さが一層増します。例えば、3月末が決算の会社で3月31日に納品する予定の商品が、何かの事情(大雨や事故による交通渋滞と)で4月1日に到着が遅れたとすれば、売上高が減少します。
ドラッカーが「物流とは、最後の暗黒大陸である」と言ってからずいぶん時間が経ちました。
当時は、物流を単なる製品の保管と移動と考えて軽んじていました。しかし、物流が大きな価値を創出することを身に沁みている人は多いでしょう。
宅配、コンビニ、通販・・物流に取り組んでいる会社が高収益を上げています。物流を鍛えて磨いていった会社が、競争優位を築いていきます。
日本の物流市場規模は23兆円だそうです。日本のGDPを545兆円として4.2%にも相当します。
会社で使っている物流コストが売上高の4%とすれば、仮に10%コストダウンできれば0.4%の営業利益増加になります。また、物流を磨いていくことは、顧客へのサービス向上になります。きちんとした品質で、欲しいときに届けてもらえる商品を顧客は選びます。それは、ときには価格アップにもつながります。
ところで、品川駅のプリンスホテルの裏手に物流博物館という施設があります。日本通運さんの企業博物館ですが、もし品川で時間があったら見学されると面白いかと思います。