農耕は弥生時代以前からおこなわれていた

山口県立博物館で「弥生時代と米作り―食生活の革命!―」11月から開催というチラシ。

 

コピーを要約すると「弥生時代には日本列島で本格的に米作りがはじまる。弥生文化を特徴づけるのは水田稲作農耕である。この時代に現代の日本文化を規定していく農業を生産基盤の中心とした社会が形作られた。」というもの。ちょっと、考えてみると農耕≒水田稲作ではないのですよね。ということは、日本の農耕はいつから?はじまったのか。

 

縄文時代の生活風景(小樽市総合初物館)
縄文時代の生活風景(小樽市総合初物館)

農耕を辞書でひくと「田畑を耕して農作物をつくること」とあります。結構微妙な書き方で、水稲栽培のはじまり=農耕のはじまり、というのもあながち間違いではなさそうです。

 

しかし、農耕を土地を自ら利用して農作物をつくることと広く捉えると、かなり時代が遡るようです。まぁ、農耕ではなく栽培といったほうがいいかも知れません。

 

およそ7000年前の縄文時代には大豆や小豆などの栽培をしていたことが確認されています。豆類は炭水化物ではない(タンパク質)ので、主食というわけではないのですが、かなりの規模で栽培されて食べられていたそうです。縄文土器の中に、押しつぶした大豆が残っていることでわかるということ。結構ヘルシーな生活です。

 

ちなみに、大豆や小豆(今のものとは種類が違うのか知れませんが)だけが日本の固有種だそうです。これ以外のインゲン豆、えんどう豆、落花生などは外来種で江戸末期くらいに日本にやってきました。

 

さらに、小規模な栽培は1万5千年くらい前まで遡るのだそうです。ヒエ、アブラナ、エゴマ、アサなどを栽培しています。食用のものより、衣料用に繊維をとるための栽培が多かったようです。また、容器として使うためにヒョウタンを栽培していたこともわかっています。

意外に古代人の生活も豊かなものだったようです。