「事業継続力強化計画」という、名前だけ聞いたのではよくわからない制度があります。
簡単に言えば、昨今の度重なる自然災害に対して中小企業や小規模事業者が予め何らかの対策をとっておくことを促す制度です。この計画を作成して、経済産業大臣(実際は各地方経済局長)に提出すれば、これを審査してOKであれば認証するという仕組みです。従来のBCPと違って、国が認証をします。
事業継続力強化計画そのものは、決して難しいものではありません。BCP(事業継続計画)の前段階、入り口にあたるものです。
日本語は難しいもので、文字数(漢字の数)が多くなると大変なことのように感じます。しかし、それは間違いなんです。
「事業継続計画」は、何かの災害などに遭遇した際にも「事業」を「継続」するための「計画」です。
「事業継続力強化計画」は、何かの災害に遭遇した際に「事業継続」する「力」を「強化」するための「計画」です。「力」は「能力」と置き換えてください。
要するに、現在は事業継続するだけの十分な能力を持っていない中小企業や小規模事業者が、その能力を強化するための計画なんです。既に「事業継続計画」を持っているような事業者では、改めて計画する必要はありません。
さらにここにきて「事業継続力強化支援計画」というものがでてきました。漢字が11文字もつながると、一見しても意味がよくわかりません。
これは「事業継続」する「力」を「強化」しようとしている事業者を「支援」する「計画」です。ここで、「支援」ですが「力を貸して援けること」を意味します。この「力」とは、一般には労力や資金など具体的な形のあるもののことですが、やる気を引き出すとか気づきを与えるといった形に無いものを含みます。
この計画をつくって、実行するのは、各市町村とその市町村にある商工会議所・商工会です。両者が共同して協力しながら実行しますが、実際に事業者支援をするのは会議所や商工会が中心になります。自然災害のリスクが高まっているなか、大事なことです。