イベントでの地域活性化は可能か?

この時期は各地で地域活性化を目指して小規模なイベントが開かれています。

 

地元の商店街や商工会、町内会などが主催して”ふれあい祭り”といった名称で開催されます。かなり小規模なものでも、たいてい2000~3000人の集客は達成しています。地域の特産品の販売や、ちょっとしたイベント(子供たちのよさこい踊りや、ご婦人方のフラダンスなど)で盛り上がります。

 

お祭りイベント
お祭りイベント

地域でお店を構えている事業者としては地域のイベントに積極的に参加して、売上につなげたいと考えます。また、イベントに参加することは、お店の広告宣伝にもなると期待します。

昔より賑わいが薄くなっていても、何千人ものお客さまが来るのですから、期待が膨らみます。

 

ところが、イベントが終わると、結局のところ「くたびれ儲け」だったということがよくあります。

 

お客さまが3000人来ても、そんなにお金を使うわけでもありません。1人1千円として計算すると300万円ですが、多分平均額はもっと低いと思います。

 

これに対して、出店するのは商店街で廃業が続いているとはいえ、数十軒はあります。これに、商工会とか婦人会とかのお店が出ますし、屋台や移動販売も何件かは出ます。買い手は減っても売り手の減り方は遅れますから、1軒当りの売上高はどうしても減っていきます。

 

しかも、常日頃は店頭に買いに来るお客さまの数が減っていますから、店員さんも限られた少人数です。イベントでもお店は開けておくなら、イベント用に手伝いのパートさんを雇うということになります。最低賃金も増加したことから、この費用負担も無視できません。

 

 「くたびれ儲け」だった翌年には。お店がイベントに参加するのを今年は辞退しようか、ということにもなります。但し、これはなかなか難しい課題です。

イベントに参加するか否かは、事前の準備や特別な仕入などにかかる手間と時間がどのくらいかで決まります。もちろん、イベントでお店を超える収益を上げることができると、確信すればイベントに参加しますが、結構厳しいのが現状です。

 

 「くたびれ儲け」にしないためには、いろいろなアイディアと工夫が必要です。イベントに地元のお店が参加しなくなると、地域の活性化にもなりません。来年はオリンピックもありますから、よい手立てを考えていきたいですね。