クイズです。「ソーラーエネルギーの歴史はおよそ何年くらい前からですか?」
真っ当な解答としては、約45億年前。地球ができるときから太陽からのエネルギーは使われていたわけです。他には、50万年前。現在の人類につながるヒトが生れて太陽のエネルギーを使いはじめたから。最近のことでは、ソーラー発電の実用化が1955年です。原理はアメリカのピアソンが発見したのですが、実用の太陽電池を世界で初めて作ったのは日本電気(NEC)です。
ソーラーエネルギーは二つに分かれます。
「光」と「熱」です。
「光」を利用する最も偉大な分野は、「光合成」です。植物は太陽の光を利用して光合成をおこないエネルギーを蓄積します。人間を含めた動物は、直接間接に植物を食べて活動します。(肉食動物も、間接的に植物を食べています)
また光合成の重要な作用に、二酸化炭素を酸素に変換することがあります。酸素がなければ、燃焼が起こりません。電気は石炭や石油を燃焼させてつくるわけですが、酸素(つまりは太陽の光)がなければならないのです。
日本でも一気に普及した太陽光発電は「光」を利用した発電方式です。半導体に光を当てると電気が発生するという光電効果を利用しています。実は、太陽光発電に「熱」は邪魔もので、パネルの温度が上がると発電量が低下します。
太陽光発電は再生可能エネルギーのエースとしてもてはやされましたが、最近ではデメリットもクローズアップされてきました。何しろ「光」エネルギーは面積当たりでは薄いので、パネルの設置面積が広大です。気象条件によって発電量が勝手に変化して、電気の必要なときと発電量の多いときが合わないこともしばしばです。
まぁ、日本のように平地の少なく、人口が集積している国にはあまり向いていないことが実感されてきました。
そこで、ソーラーエネルギーのもう一つ「熱」の利用を進めていきたいものです。今、ソーラーパネルが乗っかっている家の屋根には、太陽熱温水器が乗っていた時代があります。
エネルギー効率としては太陽光発電よりも優れているのですが、残念なことに利用が戸建て住宅に限られることや、なにしろオシャレでないので廃れてきました。
最近では太陽熱発電や温度差発電の技術開発が盛んに進んでいます。特に海洋温度差発電などは島国・海洋国家である日本に適した技術です。
海洋温度差発電は海洋風力発電と同じように、漁業者や沿岸住民との調整、環境影響評価に長い時間と手間が掛かって、結局破綻するかも知れません。技術者がメリット・デメリットを正確に開示し続けて、コンセンサスを得る努力を続けることも大事でしょう。