救急車をタクシー代わりに使う人が増えてしまって、救命率が下がっているそうです。
日本では救急車は無料です。もちろん経費がかかっている(1回の出動で平均4万5千円)のですが、それは税金で賄われています。軽症であっても救急車を気軽に使う人がいるもので、昨年度の年間出動回数が前年度より26.3万件増の660.5万件にもなった。この結果、救急車を必要とする人のところに救急車が到着する時間がかかって、救命率が下がっている。
近年の救急搬送の特徴は、
①交通事故など事故発生件数が減ったので負傷・怪我で搬送される人は減っている。救急搬送の要請理由は急病(64.3%)とその他(12.2%)が多い。※病気でも怪我でもない出動とは何かな?
②65歳以上の高齢者が6割近く(58.8%)を占める。
の2点。
救急車で搬送された人のうち重症者は1割未満だそうです。そして、救急搬送が必要のない軽症者は5割を超えるようです。
「虫に刺された」「シャワーの水が耳に入った」「水虫が痒い」「深爪した」「よく寝られない」「さみしい」「病院に行くのにタクシー代がもったいない」「救急車で行くと早く診てもらえる」などが救急車を呼ぶ理由になっています。
そこで、救急車を有料にしようという意見が出ており、賛同する人が増えています。諸外国では救急車は有料が普通で、日本が特別なわけです。
アメリカは州や都市によって料金が変わるそうですが、2~5万円の定額制。
フランスは基本料金7500円+250円/走行1㎞で加算。
中国などはタクシーと同じで、3㎞まで850円+150円/走行1㎞で加算。
救急車料金が高いのはオーストラリアで、1回に約10万円です。
しかし、救急車を有料にするというのは日本人の感性に完全には合わないので、意見がまとまりにくいように思います。
そこで、医療現場の請求を変えてはどうでしょうか?現在は「夜間休日救急搬送医学管理料」というのが1800円かかるだけです。これに加えて、軽症の場合(=入院しなかった場合とか、治療に一定時間を要しなかった場合とか)には、医師や看護師の拘束代を時間請求するのです。待機をはじめた時点(救急の電話を受けた時点)を起点として、1分当たり1人200~1000円くらいでどうでしょうか?