新聞のコラムで、伊東四朗と杉良太郎と加山雄三が共通しておこなったことは?とあります。
答えは、「運転免許証の返納」です。杉さんが75歳、伊藤さんと加山さんは若く見えますがお二人ともに82歳だそうです。仮に75歳が返納適齢期とすれば、全人口の14%・成人人口の17%になります。日本では自動車が無けりゃ生活できない、という間違った風評が拡がって公共交通機関の衰退を招きました。今こそ、公共交通機関の復権を目指すときです。
公共交通機関といえば、鉄道です。
日本が世界トップの鉄道大国であることは知られています。数字を置いてみると以下のようになります。2016年の統計です。
日本の鉄道旅客輸送量は、約4400億人㎞です。人口1億2700万人で割ると1人当り1年間に3500㎞も鉄道を利用していることになります。もちろん、ほとんど鉄道を利用しない人もいますが、通勤で毎日使う人もいます。
日本より鉄道旅客輸送量の多いのは、インド(1兆1500億人㎞)と中国(7000億人K㎞)の2か国だけです。しかし、両国ともに日本の10倍以上の人口がいます。日本に次いで4位がロシアで約2000億人㎞です。ここまでが1000億人㎞超です。
自動車ユーザーが一生に使う自動車費は、車両購入費、燃料費、車検整備費に、保険や税金を加えると約4000万円になるそうです。仮に60年で割ると1年当り65万円になります。
さすがに、昔のままの鉄道というわけにはいきませんが、新しいインフラとしての公共交通機関を創りあげることが、社会コストからも求められます。自動車を無人で走らせるよりも、よほど安全で社会性があると思います。
山口県のような地方でこそ、新しい公共交通システムをつくっていくべきでしょう。高齢者と同じように子供も車の運転はできないわけです。しかも、子供の半分は自転車にも乗れないのです。安全な公共交通機関の整備は少子化対策にもなります。
幸いに簡易な公共交通の仕組みが、いろいろな新交通システムとして提案されてきています。民間会社では、赤字は悪事ですが、公共はトータルとして社会全体の利益を高めればいいのです。ハコモノに大金を使うより、はっきりメリットが見えます。
老後に2000万円必要という話がありましたが、公共交通機関が整備されて60歳で免許返納できれば、計算上は1000万円浮きます。どうでしょうか?