日本の農業生産高は約9.3兆円です。世界で5~10番目くらいの農業大国です。
食料自給率が低いとか、農業の競争力が低いとか、いろいろ言われますが農業大国であることは事実です。(但し、農業生産高の統計は国ごとにいろいろで、正確に比較することは難しい。)農業輸入額は約6.4兆円、輸出額は約0.5兆円で、差引15.2兆円が日本で消費される農業製品です。自給率は9.3/15.2=61%となります。
日本の国土は37.8万㎢です。このうち農用地は4.5万㎢(11.9%)です。
9.3兆円÷4.5万㎢は、210万円/haになります。国際比較すれば、農業生産性はかなり上位にきます。
アメリカや中国に農業で勝つのはムリですよね。アメリカは983万㎢、中国は960万㎢と日本の25倍も広くて、その国土の半分が農用地ですから、日本の100倍の面積で農業生産をしているわけです。
どんな産業でも100倍の生産設備とか、100倍の販売員とか、と戦うのは至難のことです。
しかし、日本の農業は結構頑張っています。
世界最大の農業国は中国です。中国の農業生産額は約100兆円ですから日本の約10倍です。中国の人口は13.8億人で、これも日本の10倍です。
中国の農用地は日本の100倍ですし、農業従事者の数は正確にはわかりませんが2億人は超えている(日本は約200万人)のは間違いなさそうですから、これも100倍以上です。
つまり日本の農業は10倍生産性が高いということです。
何故、農業が頑張れるのかは政府の保護などもありますが、食の安心安全に関わるとところが大きいです。食べる物は新鮮であり、安全なものが安心です。
輸入品が一概に危ないというわけではありませんが、残留農薬の懸念はあります。全ての輸入農産品が検査されるわけではないのですが、時々異常なものが紛れ込んでいます。
さらに、ポストハーベストという心配があります。これは輸送中の劣化を防ぐために添加する防カビ・殺菌・防虫剤などのことです。法律上は農薬ではなく食品添加物になります。
日本の農業が、更に発展するにはこの安全性をもっと確実にすることです。そして、安心安全であることを世界にアピールしていくことも重要です。
JGAPやAsiaGAPなど農業生産の安心安全を外部検証する仕組みもできていますから、積極的に採用していきましょう。と、最後は宣伝でした。m(_ _)m